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2024年10月 5日 (土曜日)

好盤 ”Clifford Brown All Stars”

関東地方はやっと涼しくなってきた。最高気温23〜25度の日もあれば、30度に届く日もあるが、連日35度前後という酷暑の毎日からすると、グッと涼しくなった。これだけ、涼しくなってきたら、連日、耳を傾けるジャズも、耳当りの良い爽やかなもの一辺倒から、熱気溢れるハードバップものに変わってくる。

『Clifford Brown All Stars』(写真)。1954年8月11日、ロスでの録音。ちなみにパーソネルは、Clifford Brown (tp), Herb Geller, Joe Maini (as), Walter Benton (ts), Kenny Drew (p), Curtis Counce (b), Max Roach (ds)。1954年の録音だが、ブラウニー(クリフォード・ブラウンの愛称)の急死後、1956年にEmArcyレーベルからリリースされた未発表音源。

ブラウン~ローチ・クインテットの始動後、『Clifford Brown & Max Roach』『Brown and Roach Incorporated』の直後、『Best Coast Jazz』と同一日、同一メンバーでのジャム・セッション。この後の『Best Coast Jazz』のライヴ録音を含め、1954年8月のロスでの、怒涛の「名演の録音月間」である。
 

Clifford-brown-all-stars

 
当然、ブラウニーのトランペットのパフォーマンスは素晴らしいの一言に尽きる。何かに取り憑かれたかの様に、高速フレーズをいとも容易く吹きまくるブラウニーは迫力満点。これだけ高速なフレーズを連発しつつも、余裕ある雰囲気が伝わってくる。どれだけテクニックに優れ、どれだけ強力な肺活量なんだろう。とにかく「凄い」の一言に尽きる。疾走する「Caravan」、歌心溢れる「Autumn in New York」。この2曲だけでも、聴いていて惚れ惚れする。

米国ウエストコースト・ジャズにおける一流どころが集っているので、フロントを分担するアルト&テナー・サックスのパフォーマンスも、最高とは言えないまでも、そこそこ充実したブロウを披露している。厳しい評価をする向きもあるが、ブラウニーのパフォーマンスと比較すること自体、ちょっと乱暴な気がする。アルト&テナー、意外と健闘しています。

リズム・セクションは「充実&安定」の一言。ブラウニーのかっ飛ぶトランペットをしっかり支え、しっかりとリズム&ビートを供給していて立派。当時の米国ウエストコースト・ジャズにおけるハードバップなジャム・セッションの記録として、しっかりとした内容の好盤だと思います。
 
 

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