「進化する人」の面目躍如な盤『Action Action Action』
ジャキー・マクリーンは「進化の人」。一つのジャズの演奏トレンドで実績を上げたからと言って、その演奏トレンドに安住することは無かった。メンバーを厳選し、若手からも新しいアイデアを学び、自分のものとしつつ、ジャズの新しい演奏トレンドに挑戦し、自分の演奏スタイルに取り入れていく。1960年代のマクリーンは「モード・ジャズへ挑戦し、自家薬籠中のものとする」が目標。
Jackie Mclean『Action Action Action』(写真左)。1964年9月16日の録音。ブルーノートの4218番。ちなみにパーソネルは、Jackie McLean (as), Charles Tolliver (tp), Bobby Hutcherson (vib), Cecil McBee (b), Billy Higgins (ds)。
マクリーンのアルト・サックスと、当時、新進気鋭のチャールズ・トリヴァーのトランペットがフロント2管のクインテット編成。ハッチャーソンのヴァイブがいるので、モードからフリーをやるには、ピアノはフレーズがぶつかる可能性がある。だからピアノレス。
1970年代のメインストリーム・ジャズで活躍する、トランペットのチャールス・トリヴァー(録音当時22歳)と、ベースのセシル・マクビー(録音当時29歳)が参加している。ドラムのビリー・ヒギンスも録音当時28歳。ヴァイブのハッチャーソンだって、録音当時まだ23歳。リーダーのジャキー・マクリーンだって、録音当時33歳。実に若い、新進気鋭のクインテットである。
このメンバーの中で、年齢的に、ハードバップの洗礼をガッツリ受けているのは、マクリーンだけ。ヒギンスはかすっている程度。残りのトリヴァー、マクビー、ハッチャーソンについては、ハードバップは二十歳前で、その成果を聴いて学ぶ立場。ハードバップの流行の中で、実際にバリバリ演奏していた訳ではない。
この盤の演奏は「モード・ジャズ」なんだが、新主流派のモード・ジャズとはちょっと異なる、完璧にモーダルな演奏なのだ。というのも、新主流派のモード・ジャズは、担い手は、ハードバップで活躍していた一流ジャズマン。
ハードバップに相対するモード・ジャズという表現がメインで、ハードバップとモード・ジャズが混在しつつ、そんな中でモード・ジャズの特質を全面に押し出す、という演奏傾向があると僕は感じる。モード・ジャズに相対するハードバップが必ず存在するのだ。
しかし、このマクリーン盤は、ハードバップの影が相当に薄い。テーマ部から、モーダルなフレーズを流しつつ、アドリブ部では純粋なモーダルな展開をベースに、純粋なアドリブ・フレーズを吹きまくる。それも、限りなく自由度の高いモーダルなフレーズを連発、時に、フリーに傾くこともある、当時としては、先進的なモード・ジャズがこの盤に詰まっている。
前作『Destination... Out!』で、「マクリーンの考えるモード・ジャズ」のほぼ完成を見た訳だが、この『Action Action Action』では、それをさらに一歩進めて、「マクリーンの考えるモード・ジャズ」を自家薬籠中のものとしている。「進化する人」の面目躍如。やはり、ジャキー・マクリーンは「進化の人」である。
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