ホーニグの「ネオ・ハードバップ」
21世紀に入ってはや丸23年。21世紀に入って頭角を現した、将来有望なジャズマンを追いかけていくと、ライヴ情報などで、サイドマンで活躍する、新たな将来有望なジャズマンに出会う。これが楽しい。
新たなジャズ盤に出会って、そのパーソネルなど情報を確認すると、またまた新たな将来有望なジャズマンに出会う。これがまた楽しい。この2024年になって振り返ると、将来有望な中堅ジャズマンがかなりの数、出揃った感がある。
Ari Hoenig 『NY Standard』(写真左)。2015年9月の録音。2018年のリリース。ちなみにパーソネルは、Ari Hoenig (ds), Tivon Pennicott (ts), Gilad Hekselman (g), Tigran Hamasyan (p #2), Shai Maestro (p #4,6), Eden Ladin (p #3,5), Orlando le Fleming (b)。フロントにテナーとギター、曲により注目のピアニスト3人をフィーチャーした、クインテット編成。
アントニオ・サンチェスと並んで、NYジャズ最重要ドラマーの一人、アリ・ホーニグのリーダー作の9枚目。アントニオ・サンチェスは、デビューした頃からずっと追いかけてきたが、このアントニオ・サンチェスを通じて、アリ・ホーニグの名前を知った。そして、リーダー作を当ブログの記事にするのは初。ドラマーのリーダー作なので、リーダーのドラマーの志向するジャズが展開されている。
アリ・ホーニングのドラムは、変幻自在な表現豊かなドラミング。自由度の高いリズム&ビートの変化、ドラムの音色のバリエーションの豊かさが存分に楽しめる。クールに熱いドラミングが見事。ホーニングのドラムのコントロールの下、ネオ・ハードバップ、ネオ・モード、ゴスペル&フォーキーなど、ジャズの演奏トレンドを融合した、内容の濃いパフォーマンスを繰り広げている。
ティグラン・ハマシヤン、シャイ・マエストロ、エデン・ラディンの3人のピアニストの曲のイメージに応じて、上手く使い分けている印象。ブルージーでゴスペルチックなハマシヤン、耽美的でリリカルなマエストロ、モーダルで変幻自在なラディン3者3様、ホーニングのドラムのリズム&ビートに乗って、鼓舞され、サポートされながら、気持ちよさそうに、印象的なピアノを弾きまくる。
フロントを張る、ヘクセルマンのギターが良い。モーダルで限りなく自由に、個性的なギターの音色で、個性的なフレーズを弾きまくる。このヘクセルマンのギターに効果的に絡み、効果的にソロを展開するティヴォン・ペンニコットのテナーも良い感じ。
地元NYの「スモールズ」などで繰り広げられている、現代NYを代表する中堅ジャズマンによる、「今」のスタンダード曲の解釈が楽しめる。現代のネオ・ハードバップとネオ・モード。録音年は2015年。まだまだ、ジャズは深化している。
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