邦題通り「アメリカン・ポップ」
『エクステンションズ』『モダン・パラダイス(邦題)』とジェイ・グレイドン・プロデュースの優れた内容の作品が2作。ジャズ名曲あり、ポップあり、アカペラあり、とアルバムの完成度が非常に高く、ともにグラミー賞受賞した。さて、その次はどの様な展開になるのか、興味津々の1983年。マントラは「ポップ志向」の色濃い、R&Bをも取り込んだ傑作をリリースしてきた。
The Manhattan Transfer『Bodies And Souls』(写真左)。1983年の作品。ちなみにパーソネルは、The Manhattan Transfer = Tim Hauser, Cheryl Bentyne, Alan Paul, Janis Siegel。マンハッタン・トランスファーの7枚目のスタジオ録音アルバム。邦題は『アメリカン・ポップ』。
このアルバムは、マントラのアルバムとして、R&Bチャートにランクインしている。スティーヴィー・ワンダーによる個性的なハーモニカ・ソロがフィーチャーされた「Spice of Life」は、R&Bチャートで32位、ポップ・チャートで40位とスマッシュ・ヒットとなった。
アニタ・ベイカーが後にカヴァーした事でも有名な「Mystery」、当時サントリーのTVCMでマントラ自身も登場した「American Pop」、グラミー賞で、 Best Jazz Vocal Performance賞をとった「Why Not !」、1982年に亡くなったピアニスト、セロニアス・モンクへのトリビュート「The Night That Monk Returned To Heaven(邦題:モンクに捧ぐ夜)」と佳曲揃い。
マントラのボーカル技術は凄みすら感じる。ハーモニーも素晴らしい。ポップスからジャズ、R&Bまで、幅広く完璧に対応する。このアルバムでのマントラの唄いっぷりは、ピークに達していたのではないか。完成度の高いボーカル・コーラスだからこそ、「ポップ志向」の色濃い、R&Bをも取り込んだボーカルを気軽にリラックスして聴くことができるのだろう。
録音がデジタル黎明期のものなので、音のエッジが立ちすぎて、キンキンしているのが玉に瑕。このマントラ盤はCDよりは、LPで聴いた方がしっくりする様な気がする。マントラが一番ポップに振れた内容で、純粋なジャズ・コーラスとして聴くにはポップ色が強いかもしれないが、フュージョンなジャズ・コーラスとして聴くには絶対に「アリ」。マントラの名盤の一枚でしょう。
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