« 初代ジョンアバ4の幻の好盤『M』 | トップページ | ラスト盤の『Out of the Loop』 »

2024年6月18日 (火曜日)

日野皓正の名作『Daydream』

そろそろ、日野皓正の「渡米後」のフュージョン・ジャズからコンテンポラリー・ジャズについて、このブログでコメントせんとなあ、と最近、思い始めた。和フュージョン・ジャズを語る上では、日野皓正のフュージョン・ジャズ盤は避けて通れない。

日野皓正『Daydream』(写真左)。1980年の作品。ちなみにパーソネルは、日野皓正 (cor, flh), Dave Liebman (ts), John Tropea (g), Bob James (key), Anthony Jackson (b), Steve Gadd (ds), Nana Vasconcelos (perc), 菊地雅章 (key), Leon Pendarvis (key, arr) and more。日野皓正の渡米後、フュージョン・ジャズ盤の第二弾。

日本制作のNYフュージョンの名作とされる。が、和フュージョンとは、内容と雰囲気が異なる。この『Daydream』、前作の『City Connection』同様、どこから聴いても、米国東海岸フュージョン・ジャズの内容と雰囲気。「和」な雰囲気は無い。パーソネルも、米国東海岸フュージョンの人気ジャズマンが大集合。当然、出てくるリズム&ビートは「米国東海岸フュージョン」。
 

Daydream

 
演奏される曲は、どれもが前作の『City Connection』と同じ雰囲気の演奏とアレンジ。この『Daydream』は、前作『City Connection』と併せて、一気聴きした方が違和感がない。というか、この『Daydream』で、日野の「アーバンで洗練された」米国東海岸フュージョンは成熟している。

冒頭「Still Be Bop」はリズム隊の叩き出す、切れ味の良いバップなリズム&ビートが印象的。そして、続く「Late Summer」は、ミディアム・スローな、絶品のバラード曲。これ、雰囲気抜群。ボブ・ジェームスの印象的なアコピが実に良い。そして、サントリーのウィスキーのCM曲だった軽快なカリプソ・ナンバーは、5曲目「Antigua Boy(アンティーガ・ボーイ)」。

他の曲も出来は良く、米国東海岸フュージョン・ジャズの名作の一枚としても良いかと思う。完全に米国東海岸フュージョンに同化した日野皓正。次なるアルバムはどうするんだろう、と、当時、ちょっぴり不安になったことを思い出した。
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!

 ★ AORの風に吹かれて 

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

 ★ まだまだロックキッズ     【New】 2024.01.07 更新

    ・西海岸ロックの雄、イーグルス・メンバーのソロ盤の
   記事をアップ。

 ★ 松和の「青春のかけら達」 【New】 2024.01.08 更新

  ・チューリップ『ぼくが作った愛のうた』『無限軌道』
   の記事をアップ。

Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から13年3ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

Never_giveup_4 
 

« 初代ジョンアバ4の幻の好盤『M』 | トップページ | ラスト盤の『Out of the Loop』 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 初代ジョンアバ4の幻の好盤『M』 | トップページ | ラスト盤の『Out of the Loop』 »

リンク

  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
  • 松和の「青春のかけら達」(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代Jポップの記事を修正加筆して集約していきます。           
  • AORの風に吹かれて(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    AORとは、Adult-Oriented Rockの略語。一言でいうと「大人向けのロック」。ロックがポップスやジャズ、ファンクなどさまざまな音楽と融合し、大人の鑑賞にも堪えうるクオリティの高いロックがAOR。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、AORの記事を修正加筆して集約していきます。  

カテゴリー