和ラテン・フュージョンの名盤
月刊誌「レコード・コレクターズ」2024年6月号の特集、「フュージョン・ベスト100 邦楽編」に挙がったアルバムを聴き直している。当時、ヘビロテで聴いたアルバムも多くある。当ブログに記事としてアップしていないアルバムも結構ある。当時の耳で聴いた感覚と今の耳で聴いた感覚、意外と変わらないのが面白い。
松岡 直也 &ウィシング 『The Wind Whispers』(写真)。1979年の作品。ちなみにパーソネルは、Naoya Matsuoka (key), Kazumi Takeda, Kenji Nakazawa (tp), Tadanori Konakawa (tb), HidefumiI Toki (sax), Takeshii Itoh (ts,fl), Kenji Ohmura, MasayoshiTakana (g), Shuichi “PONTA” Murakami (ds), Osamu Nakajima, Pecker (perc)。
パーソネルを見渡すと、錚々たるメンバーである。当時の「和フュージョン」の名うての強者どもが大集合。ビッグ・ネームとして主だったところでは、ホーン・セクションにサックスの土岐 英史、ギターに大村 憲司&高中 正義、ドラムに村上 "ポンタ" 秀一、パーカッションにペッカー。今から振り返って見て、やっぱり、錚々たる面子である。
出てくる音は、一言で言うと「ラテン・フュージョン」。日本のラテン・ジャズ・フュージョンの「草分け」的名盤である。「ラテン」とは言っても、本場のこってこての「ラテン・ミュージック」では無く、「和」でリコンパイルした「ラテン」。よって、我々の耳にスッと馴染むフレーズとアレンジ。
そんな「和ラテン・フュージョン」が、この盤にギッシリ。「ラテン」だからと言って、俗っぽくも無くチープでも無い。上質に洗練された「ラテン」が見事。
ホーン・セクションのアレンジとパフォーマンスが良い。この「和ラテン」なホーン・セクションの熱い活躍が、この盤の「キモ」。そして、大村&高中のギターの「和ラテン」なフレーズの嵐、ポンタ秀一が叩き出す「和ラテン」なリズム&ビート、がもう一つの「キモ」。
そして、やっぱり主役は、リーダーの松岡のパーカッシヴで切れ味抜群な「和ラテン」な熱気溢れるピアノ。爽快でシャープで、心地良い熱気溢れる「和ラテン・フュージョン」な名曲、名演がてんこ盛り。 タイトル曲「The Wind Whispers」が美しい。「A Season of Love」と「The Myth of Egypt」は、確か、ウルトラクイズのBGMに使われていたのではないだろうか。そんな記憶が蘇ってきて、懐かしいことしきり。
今の耳で聴いても、新鮮な響きが溢れている「和ラテン・フュージョン」の名盤。和フュージョン・ジャズの面目躍如の一枚。ちなみに高中の名盤『TAKANAKA II』で鮮烈な「和ラテン」なピアノを弾きまくっていたのは、他ならぬ、この「松岡 直也」。至極納得。
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