チック名盤『Children’s Songs』
チック・コリアのリーダー作の「落穂拾い」。当ブログに、まだ記事化していないチックのリーダー作を順に聴き直している。意外とソロ・ピアノ集が多く、記事化されていない。あまり興味が湧かなかったかとも思ったのだが、聴き直してみると、どのアルバムもチックの個性が散りばめられていて、聴き応えのあるものばかりである。
Chick Corea『Children's Songs』(写真左)。1983年7月の録音。ECMレーベルからのリリース。ちなみにパーソネルは、Chick Corea (p) のみ。チック・コリアのソロ・ピアノ集。ラストの「Addendum」にのみ、バイオリニストのイダ・カヴァフィアンとチェロ奏者のフレッド・シェリーが参加している。
チック作の優れた小曲「Children's Song」を一枚のアルバムに集めた企画盤。チックいわく「子供の精神に表れる美しさとして、シンプルさを伝えること」を目指した小曲が「Children's Song」。"No.1"から"No.20"まで、全20曲。
うち、ゲイリー・バートンとのデュオ盤『Crystal Silence』に1曲、同じ曲のグループ演奏バージョンは、Return to Foreverの『Light as a Feather』にも収録、続いて『Duet』に4曲、収録されている。また、"No.5"と"No.15" のグループ演奏バージョンは、チックの『Friends』に収録されている。
そして、”No.3”は、Return to Foreverの『Hymn of the Seventh Galaxy』の「Space Circus Part I」のモチーフであり、”No.6”は、Return to Foreverの『Where Have I Known You Before』の「Song of the Pharoah Kings」のメインとなるフレーズ。”No.9"は、チックのソロアルバム『The Leprechaun』の「Pixieland Rag」として収録されている。
つまり、全20曲中、半数の10曲が、このチックのソロ・ピアノ盤『Children's Songs』に収録以前に、チックのアルバムに収録された曲のベース、もしくはモチーフになった、チックの個性を彩る、独特のフレーズの「源」となっている。つまり、この小曲集は、チックの個性を理解する上で、重要な意味を持つソロ・ピアノ集である。
ラストの、バイオリンとチェロとの「Addendum」は、明らかにクラシック音楽の範疇の演奏になるが、対位法を活用した、チックの卓越した、弦楽のためのスコア作成能力が遺憾無く発揮されている。これは、後のアルバム『Septet』に繋がる演奏になっている。
バルトーク・ベーラを大きな影響を受けたと語るチック。この「Children's Song」と名付けられたそれぞれの小曲は、バルトークの「ミクロコスモス」シリーズの、チックなりの解釈、とされる。
確かにそう感じるが、そんな難しい解釈無しに、このチック独特の美しい旋律に彩られた小曲は、チックの様々なニュアンスを湛えた、耽美的でリリカルな、硬質で切れ味の良いタッチで、美しく唄うが如く、淡々と弾き進められていく。
未だ色褪せないチックのソロ・パーフォマンス、そして、チックの作曲能力。この『Children's Songs』、チック者には必須アイテムだと再認識した次第。ピアノ・ソロの名盤の一枚です。
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