ジョンアバの「ギター・シンセ」
ジョン・アバークロンビー(以降「ジョンアバ」と略)のギターの音世界が好きで、1970年代から、ずっとジョンアバのアルバムを追いかけている。
欧州ジャズらしい、彼しか出せない叙情的なサスティーン・サウンドが、とにかく気持ち良い。特に、ECMレーベルでの、ECM独特の深いエコーに乗ったジョンアバのギターシンセには、聴くたびに惚れ惚れである。
John Abercrombie『Current Events』(写真左)。1985年9月の録音。ちなみにパーソネルは、John Abercrombie (g, g-synthesizer), Marc Johnson (b), Peter Erskine (ds)。ジョン・アバークロンビー(以降「ジョンアバ」と略)のギターがフロントのピアノレス・トリオ。
ベースにニュー・ジャズ志向ベースの名手マーク・ジョンソン、ドラムには、これまたコンテンポラリー・ジャズ志向ドラマーのピーター・アースキン。バックのリズム隊は磐石。そんな磐石なリズム隊をバックに、ジョンアバが気持ちよさそうに、個性的なギターを弾きまくる。
ジョンアバは「ギター・シンセ」の名手でもある。1970年代から、ギター・シンセに手を染めて、ずっとギター・シンセの技を磨いてきた。そして、この『Current Events』では、そのギター・シンセの技が「極み」に達した感のある、素晴らしいパフォーマンスが記録されている。
ジョンアバのギター・シンセの音がメインのこのアルバム、全体の雰囲気は「プログレッシヴ・ロック(プログレ)」志向。もともと「プログレ」は英国を中心とした欧州ロックの十八番。そのプログレの雰囲気をジャズに融合させて、「プログレッシヴ・ジャズ」とでも呼べそうな、コンテンポラリーなクロスオーバー&ジャズ・ロックな音世界を現出している。
冒頭の「Clint」が圧巻のパフォーマンス。ジョンアバのギター・シンセが乱舞する16ビートの、プログレ志向のコンテンポラリーなクロスオーバー・ジャズ。マーク・ジョンソンの重低音ベースもソリッドに響き、アースキンの変則拍子ドラミングが凄い。続く「Alice In Wonderland」の美しいジョンアバのギター・ワークがこれまた見事。
米国ジャズでは全く聴くことの出来ない、欧州ジャズ&ECMレーベルならではの「プログレッシヴ・ジャズ」とでも呼べそうな、コンテンポラリーなクロスオーバー&ジャズ・ロック。ジョンアバのギター&ギターシンセのベスト・プレイの一つがぎっしり詰まった名盤です。
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