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2024年6月15日 (土曜日)

『View with a Room』の続編

ジュリアン・ラージの『View with a Room』は傑作だった。ラージとフリゼールのギター2本の絡みが素晴らしく、官能的な「くすんだ音色」と「前のめりでアグレッシブなフレーズ」というラージのギターの独特な個性全開。

フォーキーで、どこか懐かしい、哀愁感漂う米国ルーツ・ミュージックの音要素を融合して、ジャズのフォーマットに乗せる「アメリカーナ」でジャジーな音世界は見事だった。

Julian Lage『The Layers』(写真左)。2023年4月のリリース。ちなみにパーソネルは、Julian Lage (g), Jorge Roeder (b), Dave King (ds) と『View with a Room』同様のトリオに、Bill Frisell (g) が、全6曲中、5曲にゲスト参加している。

全6曲収録のミニ・アルバム仕様(収録時間は約24分)なので、じっくり聴かずに置いておいた訳だが、先日、ジャケを見て、このミニ・アルバムって、『View with a Room』との類似性があるのかな、と思いながら、じっくり聴き直してみた。

出てくる音世界は、明らかに『View with a Room』との類似性が高い。調べてみたら、『View with a Room』と同一セッションでの演奏集で、いわゆる『View with a Room』のアウトテイク集。というか、演奏内容は『View with a Room』の収録曲と全く引けを取らないので、アウトテイクというよりは、『View with a Room』に入りきらなかった曲集、いわゆる「続編」と言った方がしっくりくる。
 

Julian-lagethe-layers

 
収録された曲は、どれもが『View with a Room』同様、フリゼールと合わせて、ジャズをはじめ、ロック、ブルース、カントリーなど、米国ルーツ・ミュージックの音要素を引用されていて、ラージ独特の音世界が展開されている。

フォーキーで、どこか懐かしい感じ、哀愁感漂う米国ルーツ・ミュージックの音要素を融合して、ジャズのフォーマットに乗せる。エレギの音はブルース・ロックやサザン・ロックの響きを湛えていて、「アメリカーナ」な雰囲気をより濃厚にさせる。この盤の「アメリカーナ」でジャジーな音世界。

ラージもインタビューで、このミニ・アルバム『The Layers』について、以下の様に述べている。「この作品は『View with a Room』の前日譚のようなもの。ビルとのデュオ、ホルヘとのデュオ、より広がりのある楽曲、デイヴとホルヘの素晴らしいリズムとオーケストレーションのセンスなど、前作の試金石となる音楽の種をすべて含んでいる」。

この『The Layers』の方が、『View with a Room』に比べて、アコギの割合が多い。その分、やや内省的で哀愁感漂う、ジェントルな雰囲気の演奏が多く印象的。

『View with a Room』と「ニコイチ」で聴いた方がしっくりくる『The Layers』。その音世界は傑作『View with a Room』と同様、「アメリカーナ」でジャジーな音世界は見事という他ない。
 
 

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