エリック・アレキサンダー健在
『The Heavy Hitters』という、ユニット名をタイトルにしたアルバムを聴いていて(2024年6月26日のブログ参照)、充実した内容の濃いテナー・サックスが気になった。パーソネルで名前を確認したら「Eric Alexander(エリック・アレキサンダー)」。1990年代半ば、日本のレコード会社がプッシュして何枚かのアルバムを国内でリリースしていた頃は、良い音出すテナーやなあ、と暫く着目していたんだが、いつの間にか、忘れてしまっていた。
Eric Alexander Quartet『Timing Is Everything』(写真左)。2023年4月9日、Van Gelder Studio での録音。ちなみにパーソネルは、Eric Alexander (ts), Rick Germanson (p), Alexander Claffy (b), Jason Tiemann (ds)。ゲストに、Jed Paradies (fl on 3), Rale Micic (g on 3), Stan Wetering (ts on 4), Alma Micic (vo on 8)。
『The Heavy Hitters』で、エリック・アレキサンダー健在、を確認して、タイムリーに、アレキサンダーの新リーダー作がリリースされていたので、即、聴いた。この『Timing Is Everything』は、アレキサンダーのテナー1管のワンホーン・カルテット。アレキサンダーのテナーが心ゆくまで楽しめる編成でのパフォーマンスである。
冒頭「After The Rain」から、ゆったりとした余裕ある、グッと締まった、ブリリアントで切れ味の良い、良い音をしたテナーが滑り出してくる。歌心溢れるフレーズ。そして、スイング感溢れるアドリブ展開。このリーダー作でも、エリック・アレキサンダーのテナー健在を感じて嬉しくなる。
リリカルな表現にも長け、テクニカルで速いフレーズにもしっかり対応する。モーダルな展開もいマージネーション豊かで、どこかで聴いた音、がほとんど無い。いわゆる、ネオ・ハードバップというカテゴリーでのジャズ・テナーの「新世代」なブロウが、この盤でしっかりと確認できる。ジャズ・テナーでよくある、いわゆる「懐メロ」っぽいところが無い。演奏内容もバップとモード、どちらにもしっかり対応していて、違和感は全く無い。
現代の先頭を行く「今」のジャズ・テナーの優れたパフォーマンスがこの盤に詰まっている様に感じる。歌心とスイング感をしっかり踏まえた、バップとモードの両刀使いの「ネオ・ハードバップなテナー」。これは聴きもので、アレキサンダーのリーダー作を遡って、確認する必要があるな、と思った。
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エリック•アレキサンダーいいですね、私も昔からお気に入りです。日本ではVENUSレコードもあって人気ですが、海外では認知度は低いようです。ニューヨークあたりでも演奏の機会は僅かとか。残念です。
投稿: taka | 2024年7月 3日 (水曜日) 09時44分