充実の『Hank Mobley Sextet』
しっかりと芯の入った骨太なブロウ。テクニック良く流れる様なアドリブ・フレーズ。ハンク・モブレーは、フレーズの密度が濃い、バップなテナー・マンだった。
そんな愛すべきバップなテナー・マンのハンク・モブレーのリーダー作の「落穂拾い」をしている。正式にリリースされたリーダー作の中で、まだ、当ブログの記事でご紹介していないものが3枚。1972年以降、引退後、発掘リリースされた盤が6枚。今年中には全9枚を記事にして、モブレーのリーダー作をコンプリートしたい。
Hank Mobley Sextet『Hank Mobley With Donald Byrd And Lee Morgan』(写真左)。1956年11月25日の録音。ブルーノートの1540番。ちなみにパーソネルは、Hank Mobley (ts), Donald Byrd (tp), Lee Morgan (tp), Horace Silver (p), Paul Chambers (b), Charlie Persip (ds)。
さて、正式にリリースされたリーダー作の中で、まだ、当ブログの記事でご紹介していないもの、の一枚。ハンク・モブレーとして6枚目のリーダー作、かつ、ブルーノート・レーベルでの、30㎝LPでのリリース第一弾。
ブルーノートの総帥プロデューサーの気合いを感じる。モブレーを全面的に売り出したい、そんな気合いをガッツリ感じられるのが、このパーソネル。
ダブル・トランペットに、バードとモーガン、ピアノにシルヴァー、ベースにチェンバース、ドラムにパーシップ。当時のブルーノートの、名うてハウス・ジャズマンでガッチリ固めている。
名うてのジャズマンで固めるのには理由があったみたいで、モブレーの書いた楽曲の出来が相当に良く、この相当に内容のある楽曲の優秀性をダイレクトに聴き手に届けるには、優れたジャズマンの、優れた演奏が必須。そういう観点でのこのパーソネル。当時のブルーノート・レーベルが、いまだにリスペクトされる所以である。
モブレーのリーダー作だけあって、モブレーのテナーは好調の部類。と言って、絶好調ではない。パーソネルに、錚々たる先輩ミュージシャンの名が連なっているので、モブレーにとっては結構しんどかったのでは、と感じている。それでも、バックの先輩ミュージシャンが、そんなモブレーを慮って、モブレーを支え、優しく鼓舞するサポートが、なかなか味わい深い。
セクステット編成の演奏なので、曲とアレンジの良し悪しが、アルバムの出来不出来のカギを握るのだが、この盤については、まず、モブレー作曲の曲の出来が良く、その曲を踏まえたアレンジがバッチリ決まっている。典型的な良好なハードバップな演奏がぎっしり詰まっている「隠れ名盤」としても良い、充実したハードバップ盤である。
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