清々しいブレイクのドラミング
ジョナサン・ブレイク(Johnathan Blake)。1976年7月生まれ。今年で48歳。現代ジャズにおけるファースト・コール・ドラマーの一人。ブレイクのドラムは伝統的なハードバップ〜モード・ジャズのドラミングの継承。テクニックが高い分、彼のドラミングには幅と余裕があるが、叩きだすビートはポジティヴで「攻めのドラミング」である。
Johnathan Blake『Passage』(写真左)。2023年の作品。ブルーノート・レコードからのリリース。ちなみにパーソネルは、Johnathan Blake (ds, cymbals), Immanuel Wilkins (as), Joel Ross (vibes), David Virelles (p,key,Rhodes), Dezron Douglas (b)。
ドラマーのジョナサン・ブレイクがリーダー、アルト・サックスとヴァイブがフロントのクインテット編成。出て来る音は、正統派なネオ・ハードバップ & ネオ・モードなジャズ。ストイックでクールで硬派なパフォーマンスが展開される。
テンションを張り巡らして、切れ味の良いハイ・テクニックな演奏が爽快。正統派なネオ・ハードバップ & ネオ・モードなジャズに、ブレイクのドラミングが映えに映える。
さすがブルーノート・レコードでのリリース。パーソネルが「ふるっている」。それぞれが優秀な力のあるジャズマンばかりが集結。そんな精鋭部隊が、現代ジャズの最先端を行く「ネオ・ハードバップ & ネオ・モード」をやる。
テクニック素晴らしく迫力満点、伝統的なフォービートからフリー寄りの攻撃的なサウンドまで、これまでの硬派でストイックなジャズのトレンド&スタイルそれぞれに適応する。しかも、内容充実、聴きどころ満載なのだから、もうお腹いっぱい(笑)。
そんな伝統的なフォービートからフリー寄りの攻撃的なサウンドまで、全編に渡って、ジョナサン・ブレイクのドラミングが演奏の先頭に立ち、演奏をリードする。
演奏内容と共演メンバーを活かすも殺すもドラマー次第、というが、この盤でのブレイクのドラミングを聴いていると至極納得。全編に渡って、曲調&曲想によって、変幻自在、硬軟自在、緩急自在にドラミングの内容を変えつつ、バンド・サウンドを牽引するブレイクは見事。
奇をてらわない、バリバリ正統派なネオ・ハードバップ & ネオ・モードなジャズに真正面から取り組むブレイクのドラミングは清々しい。伝統的なジャズなので、過去のジャズと比較されることが多いと思うのだが、そんな心配は無用。現代ジャズの最先端の音とドラミングがこの盤に詰まっている。決して、過去を振り返っていないところが、これまた清々しい。好盤です。
《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!
★ AORの風に吹かれて
★ まだまだロックキッズ 【New】 2024.01.07 更新
・西海岸ロックの雄、イーグルス・メンバーのソロ盤の
記事をアップ。
★ 松和の「青春のかけら達」 【New】 2024.01.08 更新
・チューリップ『ぼくが作った愛のうた』『無限軌道』
の記事をアップ。
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。
★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
東日本大震災から13年1ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
« 名手ブレイドの初リーダー作です | トップページ | ジャズ喫茶で流したい・270 »
コメント