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2024年4月13日 (土曜日)

ジャズ喫茶で流したい・270

オスカー・ピーターソンは、ジャズを本格的に聴き始めた頃からの「お気に入りピアニスト」。「鍵盤の皇帝」と呼ばれるほどの超絶技巧とスイング感。高速フレーズをバリバリ弾きまくる。ドライブ感&グルーヴ感抜群。歌心溢れるバラード表現も秀逸。

『Con Alma: The Oscar Peterson Trio – Live in Lugano, 1964』(写真左)。1964年5月26日のライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Oscar Peterson (p), Ray Brown (b), Ed Thigpen (ds)。スイス南部にある都市ルガーノの「Teatro Apollo」で行ったコンサートの模様を収録した未発表音源。

「The Trio」=「黄金のトリオ」と表現された、ピーターソン=ブラウン=シグペンのピアノ・トリオ。この「黄金のトリオ」は、1959年から1965年まで行動を共にした訳ですが、この未発表のライヴ音源は、そのトリオの最終期、1964年のライヴ音源。トリオとして脂の乗り切った、円熟の極みにあったトリオの極上のパフォーマンスが記録されている。
 

Con-alma-the-oscar-peterson-trio-live-in

 
収録曲がなかなかで、冒頭の「Waltz for Debby」はビル・エヴァンスの十八番、4曲目の「Con Alma」はレイ・ブライアントの十八番なんだが、このライヴでは、ピーターソンならではのアレンジと弾き回しで、まるで弾き慣れたピーターソンの十八番の様に聴こえるから面白い。ベースのブラウンもドラムのシグペンも嬉々としてピーターソンのパフォーマンスをサポートする。

この頃のピーターソンの弾き回しは、ダイナミックでワイド・レンジで硬質タッチで超絶技巧な弾き回し。そんな弾き回しで、歌心溢れるバラードを展開し、小粋なスタンダード曲をキャッチーに、より魅力的に聴かせる。素晴らしいテクニック。恐らく、歴代のジャズ・ピアニストの中で、テクニックに関して、この時期のピーターソンがピカイチだろう。

上手すぎて面白くない、とか、バリバリ弾きまくる様を捉えて「侘び寂びがない」とか、スインギーなピアノを捉えて「スイングの権化」とか、なにかと「揶揄される」ピーターソンであるが、どうして、ピーターソンのピアノは、ジャズ・ピアノの歴史の中で、頂点に君臨する一人である。このライヴ音源を聴いて、改めてそう思う。
 
 

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