これぞ、クルセイダーズの音世界
クルセイダーズは息の長いバンド。1961年にジャズ・クルセイダーズとしてアルバム『フリーダム・サウンド』でメジャー・デビュー。以降、R&Bやソウル・ミュージックの要素を取り込んだ、粘るビートの効いたファンキー・ジャズをメインとし活動。
そして、1971年にグループ名を「ザ・クルセイダーズ」に改名。エレ楽器メインのクロスオーバー志向のジャズ・ファンクに音楽性を変えながら、1970年代半ばには、フュージョン志向のジャズ・ファンクに到達。当時、フュージョン・ジャズの人気グループにのしあがった。
The Crusaders『Southern Comfort』(写真)。1974年の作品。ちなみにパーソネルは、Wayne Henderson (tb), Wilton Felder (b, sax), Joe Sample (key), Stix Hooper (ds), Larry Carlton (g)。
ラリー・カールトンが正式メンバーとなって初のアルバム。1973年に発表された通算7枚目。あまりの充実ぶりで、LP時代はLP 1枚では収まらず、LP2枚組の大作でリリースされている。
我が国では当時、知名度も人気はまだまだのバンドだったが、ビルボードの「US Top LPs & Tape」で31位、「US Soul LPs」で3位、「US Jazz LPs」でトップを獲得したヒット・アルバム。
内容的には、R&Bやソウルと融合したファンキー・ジャズから、クロスオーバー志向な切れ味の良いジャズ・ファンク、そして、当時の近未来、ソフト&メロウなフュージョン思考のジャズ・ファンクまでを広範囲にサポートしている。
フェルダーのベースと、フーパーのドラムが醸し出す、クルセイダーズ独特の粘りのある、重量感溢れるファンキーなオフビートが、アルバム全曲の底に流れていて、この盤には、クルセイダーズらしさが満載。
ヘンダーソンとフェルダー2管のユニゾン&ハーモニーも実にファンキーでソウルフル。サンプルのエレピは「こってこて」ファンキーで流麗、そして、今回、正式加入したカールトンのエレギが、小粋でアーバンな雰囲気を濃厚にしている。
LP2枚組の後半の長尺の4曲は、クルセイダーズの音の歴史の中のピークの辺りをさし示してくれる、当時のクルセイダーズの充実度を示す力作揃いで、クロスオーバー志向のジャズ・ファンクの名演、そして、その先のフュージョン志向のジャズ・ファンクな演奏が展開されていて、聴き応え十分。
唯一無二の「アーバンな雰囲気を漂わせた、米国南部の雰囲気満載のジャズ・ファンク」集団、これぞクルセイダーズ、って感じの大作『Southern Comfort』。この盤をスタートラインとして、クルセイダーズは徐々に、ソフト&メロウな要素を取り込みつつ、クルセイダーズ独特のフュージョン色を強めていく。
《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!
★ AORの風に吹かれて
★ まだまだロックキッズ 【New】 2024.01.07 更新
・西海岸ロックの雄、イーグルス・メンバーのソロ盤の
記事をアップ。
★ 松和の「青春のかけら達」 【New】 2024.01.08 更新
・チューリップ『ぼくが作った愛のうた』『無限軌道』
の記事をアップ。
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。
★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
東日本大震災から13年。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
« フリー・ジャズへの鍛錬の第一歩 | トップページ | お蔵入りだった 『Loose Blues』 »
コメント