モンクの 『ソロ・オン・ヴォーグ』
ジャズの高僧・セロニアス・モンク。バップの開拓者の一人、そして、バップを超えて、唯一無二のオリジナリティを確立した「孤高のジャズ・ピアニスト」である。このピアニストの「音」は、ワンフレーズ聴いただけで直ぐに判る。出てくるハーモニー、タッチのタイミング、間の取り方、どれをとっても、それまでの西洋音楽の「音」では全く無い。
他の音楽ジャンルには無い、ジャズというジャンルで初めて現れ出た「音」。しかも、同じフレーズが繰り返されることは皆無。究極の「即興演奏」を旨としたピアノ。ジャズの中で「一番ジャズらしい」ピアノとも言える。フレーズの音の「跳び方」も、他の音楽ジャンルには「ありえない」跳び方。しかし、その「ありえない」跳び方には、しっかりとジャジーで鋭角なスイング感が潜んでいて、独特のグルーヴ感を醸し出している。
Thelonious Monk『Solo 1954/Piano Solo』(写真左)。邦題『ソロ・オン・ヴォーグ』(写真右)。1954年6月、パリでの録音。パーソネルは、Thelonious Monk (p) のみ。フランスのレーベル、Disques Vogue からリリース。セロニアス・モンクの生涯初のソロピアノ・アルバム。元々はラジオ放送用の音源だったらしい。音的にはまずまずのレベル。最新のCDはリマスターが効いていて鑑賞に耐えるレベルになっている。
モンクだけのソロピアノの演奏なので、モンクのピアノの特殊性、独創性がとても良く判る。クラシックをメインとする西洋音楽、それをベースとしたポップスやロックを聴き慣れた耳には「違和感」ありまくり、のモンクのピアノ。しかし、このジャズというジャンルで初めて現れ出た、究極の「即興演奏」を旨としたピアノの特徴がとても良く判る。
モンクのピアノは自作曲で一番輝く。この盤では、「'Round About Midnight」「Evidence」「Well, You Needn't」といったモンク作の名曲の自演が素晴らしい。しかし、この盤に収録されている、モンク流のアレンジによる、スタンダード曲の「Smoke Gets in Your Eyes(煙が目にしみる)」の革新的なカヴァーも素晴らしい。
この『ソロ・オン・ヴォーグ』は、モンク・ミュージックを構成する「要素」が完璧に記録されている、モンク・ミュージック入門に相応しい名盤。ジャズ者初心者の方々には、最初は「違和感」ありまくりかもしれない。それでも、ジャズに対する理解が深まるにつれ、この盤を聴く度に、モンクのピアノの「真髄」に触れる機会が多くなる。そんな長いレンジで聴き親しむ類の名盤だと思います。
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