名演 Live From Country Club
アコ・チックのアルバムを聴き直していて、チックが主宰する「ストレッチ・レーベル」からリリースされた(当時は日本だけでの発売だったと記憶している)、自主制作盤っぽいリーダー作が複数枚出ているのに、改めて気がついた。そして、この盤の内容がどれも優れている。順に全アルバムを聴き進めて、思わず聴き惚れてしまった。
Chick Corea『The Trio: Live From Country Club』(写真左)。1982年10月、カリフォルニア州のライヴハウス「Country Club」での録音。1996年11月、チックが主宰するStretchレーベルからのリリース。ちなみにパーソネルは、Chick Corea (p), Miroslav Vitous (b), Roy Hayes (ds)。パーソネルから判るように、『Now He Sings, Now He Sobs』(1968年)の優れものトリオの再会ライヴの一枚。
ストレッチ・レーベルからのリリースの一枚。『Now He Sings, Now He Sobs』(1968年)の優れものトリオの、1980年代の再会盤については、ECMレーベルから2枚のアルバムが正式盤としてリリースされている。この盤は私家録音を発掘、その内容が優れていたので、急遽、リリースに至った盤。日本での限定リリースらしく、音源のレア度は高い。
内容的には、ECMレーベルから正式にリリースされた2枚のアルバムに比肩する、もしくは、部分的に優れた、なかなかの内容である。さすが『Now He Sings, Now He Sobs』を生み出した3人である。この盤では、1980年代仕様の最高のピアノ・トリオのパフォーマンスが記録されている。この盤では、ECM盤には無いピアノ・ソロ、ピアノ&ベースのデュオ、ドラム・ソロが含まれてい、てより一層内容が濃い。
チックについては、1960年代、1970年代と比べて明らかに進化している。チックならでは、モーダルで個性的なフレーズを、軽やかに流麗にバリエーション豊かに弾きまくり、1970年代には封印していたフリーなソロを再び披露している。しかも、それが昔のイメージを踏襲するのではなく、新しいチックならではのアプローチで、チックとして新しいイメージの、フリーなフレーズをバンバン叩き出すチックは聴き応え十分。
この盤は、ECMレーベルから正式にリリースされた2枚のアルバム同様、『Now He Sings, Now He Sobs』の再現セッションの記録では無い。1980年代の最先端を行く、チック・ヴィトウス・ヘインズのピアノ・トリオの素晴らしいパフォーマンスの記録である。3人とも過去を全く振り返っていないことに、彼ら同一の強い「矜持」を強く感じる。でもなあ、ジャケはもうちょっとマシなものにならなかったのだろうか(笑)。
《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!
★ AORの風に吹かれて
★ まだまだロックキッズ 【New】 2024.01.07 更新
・西海岸ロックの雄、イーグルス・メンバーのソロ盤の
記事をアップ。
★ 松和の「青春のかけら達」 【New】 2024.01.08 更新
・チューリップ『ぼくが作った愛のうた』『無限軌道』
の記事をアップ。
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。
★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
東日本大震災から12年10ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
« 常態のペッパー『Smack Up』 | トップページ | 最高の「92年ブルーノート東京」 »
コメント