« 常態のペッパー『Smack Up』 | トップページ | 最高の「92年ブルーノート東京」 »

2024年2月 8日 (木曜日)

名演 Live From Country Club

アコ・チックのアルバムを聴き直していて、チックが主宰する「ストレッチ・レーベル」からリリースされた(当時は日本だけでの発売だったと記憶している)、自主制作盤っぽいリーダー作が複数枚出ているのに、改めて気がついた。そして、この盤の内容がどれも優れている。順に全アルバムを聴き進めて、思わず聴き惚れてしまった。

Chick Corea『The Trio: Live From Country Club』(写真左)。1982年10月、カリフォルニア州のライヴハウス「Country Club」での録音。1996年11月、チックが主宰するStretchレーベルからのリリース。ちなみにパーソネルは、Chick Corea (p), Miroslav Vitous (b), Roy Hayes (ds)。パーソネルから判るように、『Now He Sings, Now He Sobs』(1968年)の優れものトリオの再会ライヴの一枚。

ストレッチ・レーベルからのリリースの一枚。『Now He Sings, Now He Sobs』(1968年)の優れものトリオの、1980年代の再会盤については、ECMレーベルから2枚のアルバムが正式盤としてリリースされている。この盤は私家録音を発掘、その内容が優れていたので、急遽、リリースに至った盤。日本での限定リリースらしく、音源のレア度は高い。
 

Chick-coreathe-trio-live-from-country-cl

 
内容的には、ECMレーベルから正式にリリースされた2枚のアルバムに比肩する、もしくは、部分的に優れた、なかなかの内容である。さすが『Now He Sings, Now He Sobs』を生み出した3人である。この盤では、1980年代仕様の最高のピアノ・トリオのパフォーマンスが記録されている。この盤では、ECM盤には無いピアノ・ソロ、ピアノ&ベースのデュオ、ドラム・ソロが含まれてい、てより一層内容が濃い。

チックについては、1960年代、1970年代と比べて明らかに進化している。チックならでは、モーダルで個性的なフレーズを、軽やかに流麗にバリエーション豊かに弾きまくり、1970年代には封印していたフリーなソロを再び披露している。しかも、それが昔のイメージを踏襲するのではなく、新しいチックならではのアプローチで、チックとして新しいイメージの、フリーなフレーズをバンバン叩き出すチックは聴き応え十分。

この盤は、ECMレーベルから正式にリリースされた2枚のアルバム同様、『Now He Sings, Now He Sobs』の再現セッションの記録では無い。1980年代の最先端を行く、チック・ヴィトウス・ヘインズのピアノ・トリオの素晴らしいパフォーマンスの記録である。3人とも過去を全く振り返っていないことに、彼ら同一の強い「矜持」を強く感じる。でもなあ、ジャケはもうちょっとマシなものにならなかったのだろうか(笑)。
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!

 ★ AORの風に吹かれて 

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

 ★ まだまだロックキッズ     【New】 2024.01.07 更新

    ・西海岸ロックの雄、イーグルス・メンバーのソロ盤の
   記事をアップ。

 ★ 松和の「青春のかけら達」 【New】 2024.01.08 更新

  ・チューリップ『ぼくが作った愛のうた』『無限軌道』
   の記事をアップ。

Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から12年10ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

Never_giveup_4 
 

« 常態のペッパー『Smack Up』 | トップページ | 最高の「92年ブルーノート東京」 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 常態のペッパー『Smack Up』 | トップページ | 最高の「92年ブルーノート東京」 »

リンク

  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
  • 松和の「青春のかけら達」(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代Jポップの記事を修正加筆して集約していきます。           
  • AORの風に吹かれて(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    AORとは、Adult-Oriented Rockの略語。一言でいうと「大人向けのロック」。ロックがポップスやジャズ、ファンクなどさまざまな音楽と融合し、大人の鑑賞にも堪えうるクオリティの高いロックがAOR。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、AORの記事を修正加筆して集約していきます。  

カテゴリー