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2024年2月 3日 (土曜日)

『Eastern Rebellion 3』を聴け

そこはかとなくファンキーでバップな「情熱&躍動ピアノ」。テクニックは確か、端正で正確なタッチ。両手を一杯に使って、ダイナミックにスケールの大きいバップ・ピアノを弾きまくる。そんな「シダー・ウォルトン」のリーダー作の聴き直し。1970年代の純ジャズ。これが意外と興味深い。

Cedar Walton『Eastern Rebellion 3』(写真左)。1979年12月19日の録音。ちなみにパーソネルは、Cedar Walton (p), Curtis Fuller (tb), Bob Berg (ts), Sam Jones (b), Billy Higgins (ds)。今回の第3弾では、ボブ・バーグのテナーはそのままに、カーティス・フラーのトロンボーンが加わったクインテット編成。

シダー・ウォルトンが率いる「イースタン・リベリオン」の第3弾。「イースタン・リベリオン」のサウンドは、基本的には、1960年代モード・ジャズの進化形、1970年代のモード・ジャズだと思うのだが、今回、フラーのトロンボーンが加わっただけで、イースタン・リベリオンのサウンドは、1960年代、ウォルトンが在籍した頃の「ジャズ・メッセーンジャーズ」のモード・ジャズの進化形の様なサウンドにガラッと変化している。
 

Cedar-waltoneastern-rebellion-3

 
ほんわかホノボノ、音のふくよかさ、フレーズの聴き心地の良さを前面に押し出した、安定したフラーのトロンボーンが、唯我独尊、自分の吹きたい様に吹く、バーグのテナーと好対照で、意外と相性の良いフロント2管になっているのが面白い。お互いのアドリブ・ソロが、お互いの個性を引き立たせている。

フロント2管のバックで、トリオ率いてリズム・セクションを司るシダー・ウォルトンのピアノは、この「イースタン・リベリオン」の第3弾でも絶好調。前々作、前作での「ウォルトンの音を敷き詰めた様なモーダルなフレーズ、躍動感を生む弾むようなコード弾き。そこに骨太なサム・ジョーンズがガッチリと音の底を支え、ビリー・ヒギンスの柔軟なドラミングが、グループ全体のスインギーなグルーヴを堅実にキープする」は変わらない。

イースタン・リベリオンの提示する「1960年代、ウォルトンが在籍した頃の、ジャズ・メッセーンジャーズのモード・ジャズの進化形」は内容が濃い。クロスオーバー&フュージョン・ジャズ隆盛の1970年代に入っても、しっかりと1960年代のモード・ジャズを進化させている。決して「懐メロ」に走らないウォルトン。硬派なジャズマンである。
 
 

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