Art Farmer『The Aztec Suite』
邦題『アズテック組曲』。キューバの作曲&編曲家、指揮者のチコ・オファリル(Chico O'Farrill)のアレンジによるアフロ・キューバン・ジャズ。トランペットのアート・ファーマーがリーダーの12人編成のスモール・ビッグ・バンドのたエキゾチックな雰囲気が芳しい企画盤。アル・コーンが音楽監督を務めている。
Art Farmer『The Aztec Suite』(写真)。 1959年11月の録音。ちなみにパーソネルは、Art Farmer, Bernie Glow, Nick Travis (tp), Jimmy Cleveland, Frank Rehak (tb), Jim Buffington (French horn), Zoot Sims, Seldon Powell (ts), Hank Jones (p), Addison Farmer (b), Charlie Persip (ds), José Mangual (perc), Chico O'Farrill (arr)。
3トランペット、2トロンボーン、2テナーにフレンチホルンを加えた8管フロントに、パーカッションを加えたリズム・セクションをバックに、エキゾチックでミステリアスな響きのする、ブラスのパンチが効いたアフロ・キューバン・ジャズの演奏で全編、埋め尽くされている。8管フロントのアンサンブルが迫力満点で、しばしば圧倒される。
さすが、キューバ出身のチコ・オファリルのアレンジが優秀で、アレンジの問題で、ややもすれば俗っぽく安っぽくなるリスクのあるアフロ・キューバン・ジャズを、鑑賞に耐える、聴き応えのあるものに仕立て上げているのは見事。東海岸ジャズの中、優れたアレンジで、西海岸ジャズを意識した様な「聴く為のジャズ」を実現している。
「力感溢れ端正でブレが無く流麗でウォーム、エッジがラウンドしていて聴き心地の良い」ファーマーのトランペットが、アフロ・キューバンなグルーヴの中でブリリアントに響き、アフロ・キューバンな熱いアンサンブルの中で「流麗でウォーム」なフレーズがくっきりと浮き出てくる。
アフロ・キューバンにファーマーのトランペット。水に油かと思ったら、意外と相性バッチリなのにちょっビックリする。流麗バップなハンク・ジョーンズのピアノも、しっかりアフロ・キューバンして、いつになく熱いフレーズを叩き出している。アレンジ上々、整って聴き応えのあるアフロ・キューバン・ジャズの佳作です。
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