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2024年1月12日 (金曜日)

ファーマーの好盤『Perception』

アート・ファーマーの好盤を聴き進めている。ジャズを本格的に聴き始めた頃から、ずっと聴いてきた、お気に入りのトランペッターなのだが、意外と当ブログの記事になっていない好盤がまだまだ沢山ある。ファーマーについては、ジャズ盤紹介本に載らないリーダー作にも優れたものが多い。

Art Farmer『Perception』(写真左)。1961年10月の録音。ちなみにパーソネルは、Art Farmer (flh), Harold Mabern (p), Tommy Williams (b), Roy McCurdy (ds)。ファーマーはフリューゲルホーンを持って「ワン・ホーン」のカルテット編成。トランペットのワン・ホーン・カルテットは多くは無いのだが、ファーマーは一人でフロント・フレーズを吹きまくっている。

アート・ファーマーのトランペットは「力感溢れ端正でブレが無く流麗でウォーム、エッジがラウンドしていて聴き心地の良い」もの。そんなファーマーの「流麗でウォーム」の部分が突出した、ファーマーの紡ぎ出す流麗なフレーズがとことん愛でることの出来る盤である。
 

Art-farmerperception

 
フリューゲルホーンで吹いているので、出てくるフレーズが、トランペットの時よりもエッジがラウンドして、耳当たりが優しく、聴き心地が増す。全編、落ち着いた、温かみを感じる「クール」なフリューゲルホーンがとても良い。スタンダード曲もファーマーの自作曲も、同じトーンで統一される。それぞれの曲の持つ流麗なメロディーだけが浮かび出る。

メイバーンの小粋でメリハリの聴いた流麗なピアノをメインにした、ウイリアムス、マカーディのリズム・セクションが、ファーマーの落ち着いた、温かみを感じる「クール」なフリューゲルホーンをしっかりとサポートする。ファーマーのフリューゲルホーンが引き立つリズム&ビート。このリズム・セクションの貢献度は高い。

レナード・フェザーがライナー・ノーツを担当しているのだが、最後をこう締め括っている。「As long as there is room for beauty and lylicism in jazz,such voices as Farmer's will never be silenced.」(ジャズに美しさと叙情性の余地がある限り、ファーマーのような声が沈黙することは決してありません)。良いこと言うなあ、と思う。このリーダー作にぴったりの表現だと感じます。
 
 

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