エディ・ハリスのファンキーな盤
エディ・ハリス(Eddie Harriss)は、『The In Sound』の「Freedom Jazz Dance」が転換点となって、聴き手に飽きられつつあった、イージーリスニング志向のジャズと決別。アーシーなファンキー・ジャズを経て、一気に、ソウルフルなエレ・ジャズ・ファンクへ志向を変えていく。この「志向の変化」を追いかけていくのが、意外と面白い。
Eddie Harris『The Tender Storm』(写真左)。1966年3月と9月の録音。ちなみにパーソネルは、Eddie Harris (ts, varitone), Ray Codrington (tp, track 5), Cedar Walton (p), Ron Carter (b), Billy Higgins (ds, track 5), Bobby Thomas (ds, tracks 1-4 & 6)。先にご紹介した『Mean Greens』(2023年12月20日のブログ)の次のリーダー作になる。
『Mean Greens』で、ソウルフルでグルーヴィーなエレ・ジャズ志向のジャズ・ファンクに転身。録音が1966年3, 6月だったので、今回ご紹介する『The Tender Storm』と全く同時期の録音になる。
どちらも1966年のリリース。しかし、こちらの『The Tender Storm』は、アーシーでソウルフルなファンキー・ジャズ満載。どちらかと言えば、こちらの『The Tender Storm』の方が、メインストリーム系の純ジャズの面影濃厚である。
冒頭の「When a Man Loves a Woman」のアーシーでソウルフルな、どこかゴスペルの雰囲気濃厚なファンキー・ジャズが良い。まず、エディ・ハリスのテナーが、あっさりとした「ソウルフル&ファンキー」なテナーで唄いあげる。そんなエディ・ハリスのテナーをバックのシダー・ウォルトンが、これまた趣味の良いファンキーなピアノでガッチリとバッキングする。
2局目以降、この「アーシーでソウルフルな、どこかゴスペルの雰囲気濃厚なファンキー・ジャズ」で突っ走るかと思いきや、とても趣味の良い、ダイナミックでソウルフルなファンキー・ジャズが展開される。
が、これがとても良い内容なのだ。演奏レベルも高く、完成度の高いファンキー・ジャズ。エディ・ハリスのテナーも良いが、この盤では、ピアノのシダー・ウォルトンが大活躍である。流麗でガッツのあるファンキー・ピアノで、バンド全体をグイグイ引っ張っていく。
同時期に「趣味の良い、ダイナミックでソウルフルなファンキー・ジャズ」と「ソウルフルでグルーヴィーなエレ・ジャズ志向のジャズ・ファンク」。おそらく、エディ・ハリスは「どちらの方向に進むのか」自らがしっかりと吟味した結果が、今回の『The Tender Storm』であり、前にご紹介した『Mean Greens』なんだろう。
そして、エディ・ハリスは次作『The Electrifying Eddie Harris』で、電気サックスを取り入れ、着実に「ソウルフルでグルーヴィーなエレ・ジャズ志向のジャズ・ファンク」志向に舵を切る。
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