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2023年12月 7日 (木曜日)

The Paris Concert -Edition Two

ビル・エヴァンスの「Warner Bros.〜Elektra」時代のリーダー作、ビル・エヴァンスの生涯最後の一連のリーダー作を聴き直している。

Bill Evans『The Paris Concert -Edition Two』(写真左)。1979年11月26日、パリの「L'Espace Cardin」でのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Bill Evans (p), Marc Johnson (b), Joe LaBarbera (ds)。先にリリースされた『Edition One』と同じ、ビル・エヴァンスの「ラスト・トリオ」のライヴ音源。リリースは、エヴァンス逝去から4年ほど経ってから、1984年になってのリリース。『Edition One』の1年後になる。

昨日は『The Paris Concert -Edition One』をご紹介したのだが、この『Edition One』は、選曲については、無難にスタンダード曲がメイン。冒頭1曲目に、ポール・サイモンの1975年の大ヒットアルバム「Still Crazy After All These Years」から「I'd Do It For Your Love(きみの愛のために)」をカヴァーしているのが新鮮だった。

で、この『The Paris Concert -Edition Two』は、打って変わって、エヴァンスのオリジナル曲がメイン。オリジナル曲の演奏を過去のトリオ演奏と比較することで、このエヴァンスの「ラスト・トリオ」の特徴が良く判る。

この『Edition Two』の方が、『Edition One』より、我々に訴求する内容が濃い。「Nardis」はマイルス作とされるが、実はこの曲、ビル・エヴァンス作が真相らしいので、スタンダード曲はほぼ無い(1曲だけ「Gary's Theme」- Gary McFarland作)。
 

Bill-evansthe-paris-concert-edition-two  

 
エヴァンス自らの曲なので、「ラスト・トリオ」のパフォーマンス、エヴァンスが「外向的なパフォーマンス」で一歩前へ出て、ベースとドラムが「たおやかに、しなやかに」反応する「新しいトリオ・アンサンブル」が、やり易いのかもしれない。

収録されたどの曲でも、エヴァンスが前へ出て、気持ちよさそうに弾き進み、そのエヴァンスのピアノの音とフレーズに、クイックに最適な対応を選択し、効果的に絡むマーク・ジョンソンのベースとジョー・ラバーベラのドラム。

特に、エヴァンスの気合いの入ったハード・ボイルドなバップな引き回しに絡むベースとドラムが凄い。特にアドリブ部での絡みは「即興演奏の極み」を強烈に感じて、思わず集中して聴き耳を立ててしまう。

以前には無かった、エヴァンスのピアノのスカッと突き抜けた様な「外向的なパフォーマンス」が、ベースとドラムの絶妙な絡みを引き出していると感じる。

エヴァンスのオリジナル曲による「ラスト・トリオ」のパフォーマンス。僕は『Edition One』より興味深く聴く。特に、17分を超えるエヴァンスの代表曲の一つ「ナーディス」が白眉の出来。エヴァンス自らが認める「最高のレギュラー・トリオ」の「新しいトリオ・アンサンブル」が見事な形で記録されている。『Edition One』と併せて、一気に聴き通したい。
 
 

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