ジョン・レノンの43回目の命日
12月8日、ジョン・レノンの命日である。正確には、米国東海岸の12月8日なので、日本時間からすると明日なんだが、細かいことは言わない。1980年12月8日 22時50分(米国東部時間)、ニューヨークの自宅アパート「ダコタ・ハウス」前においてファンを名乗るマーク・チャップマンに撃たれ、30分後に死亡が宣告された。43年前のことになる。
僕は大学時代、リアルタイムで体験している。大学生協の電気製品売り場で、カセットテープを物色していた時、NHKのニュースがラジオから流れていた。何気なくそのニュースを聞いていたのだが、突然「ジョン・レノンが撃たれた」。ん、撃たれた? でも、その時は何故か「ジョンは死なない」と思い込んでいた。そして、その1時間後、「ジョン・レノンが射殺された」。相当なショックを受けた。今でもあの時のショックは忘れない。とにかく「衝撃」だった。
Colin Towns & The NDR Big Band『John Lennon - In My Own Write』(写真左)。2011年の作品。英国の編曲家兼指揮者のコリン・タウンズとドイツのNBRビッグ・バンドとのコラボ。タイトル通り、ビッグ・バンドによる、ジョン・レノンの楽曲のカヴァー集である。これは非常に珍しい、唯一無二の企画盤だろう。この盤、我が国ではほとんど取り上げられていないみたいだが、相当に内容の濃い、現代のビッグ・バンド演奏による、ジョン・レノン・トリビュート盤なのだ。
収録曲はビートルズの後半から、ソロになってからの楽曲まで、なかなか良い選曲で聴かせる。しかも、タウンズのアレンジが素晴らしい。伝統的なビッグ・バンドのアレンジの様式にとらわれず、サイケデリック・ロックなテイストから、エレクトリックなクロスオーヴァー・ジャズ、そして、ジャズロックまで、ロックのテイストを前面に押し出しつつ、演奏の基本はジャジーなビッグ・バンドに落ち着ける、という実にユニークなアレンジ。このユニークなアレンジがジョン・レノンの楽曲にバッチリ合っているのだから凄い。
そして、タウンズのアレンジの乗って疾走するビッグ・バンド、The NDR Big Bandの演奏力も凄い。迫力満点、ビートがバッチリ効いて、メロディアスな展開も見事。ロックのテイストをパンチのある8ビートで表現する、そのテクニックも見事。ジョンの名曲が現代のビッグ・バンドに乗って輝いている。さすが、The NDR Big Bandである。
今年で、43回目のジョンの命日。1980年の出来事だが、今でもあの時受けたショックは忘れない。僕の生涯の中で、この「ジョンの死」が一番不条理な出来事だった。あの時の無力感は今でも忘れない。
人間が複数人いると争いは起こる。しかし、起こった争いは人間の叡智で速やかに収束しなければならない。ジョンの楽曲のカヴァーを聴いていて、やはり「Give Peace a Chance」「Imagine」は、今でも思わず感じ入って聴き込んでしまう。
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