エディ・ハリスの「転身」盤です
エディ・ハリス(Eddie Harris)を聴き直すことにした。もともと、Les McCann and Eddie Harris『Swiss Movement』を聴いて、エディ・ハリスの名を知った。ソウルフルなテナーがとても気に入った。それから、彼のリーダー作を2〜3枚聴いて以降、忘れた存在になっていた。
エディ・ハリスは、シカゴ出身のテナー奏者。スムージーでイージーリスニング・ジャズ志向のファンキー・ジャズでデビュー、1966年にソウルフルでグルーヴィーなエレ・ジャズへ転身。電気増幅サックスを導入したことでも知られ、それ故、我が国では「キワモノのテナー奏者」扱いされる傾向がある。が、彼のテナーは素性が良く、彼の奏でるソウルフルなジャズ・ファンクは今の耳にもしっかりと訴求する優れものである。
Eddie Harris『Mean Greens』(写真左)。1966年3, 6月、NYでの録音。ちなみにパーソネルは、Eddie Harris (ts, el-p), Ray Codrington (tp, tamb), Cedar Walton (p), Sonny Philips (org), Ron Carter (b), Billy Higgins (ds), Melvin Jackson (b), Bucky Taylor (ds), Ray Codrington, Ray Barretto & Bucky Taylor (perc)。
革新的なラテン リズム、グルーヴ感溢れる柔らかなトーン。エディ・ハリスのジャズ・ファンク、クロスオーバー・ジャズの走り的な、ソウルフルでグルーヴィーなエレ・ジャズへ転身した最初のアルバムだろう。もともとデビュー当時は、スムージーでイージーリスニング・ジャズ志向のファンキー・ジャズを趣味よくやっていたのだが、この盤で突然、ソウルフルでグルーヴィーなエレ・ジャズへ転身である。
ソウルフルなテナーを吹き上げる、ストレートなジャズ・ファンク、タイトル曲の「Mean Greens」。ジーン・ハリスのカヴァーから、エディ・ハリス自身のセルフ・カヴァーなどで知られる代表曲「Listen Here」。「Goin' Home」のワイルドで柔軟なシャッフル。アルバム全編に渡って、エディ・ハリスならでは、のジャズ・ファンク~ソウル・ジャズが展開される。
ソウルフルでグルーヴィーなエレ・ジャズ志向のジャズ・ファンク。ラテンのリズムの導入など、クロスオーバー的な音の融合もあり、単純にソウル・ジャズの範疇に留めるよりは、先に控えるクロスオーバーなジャズ・ファンクの先駆と捉えた方が座りが良い。そういう意味で、再評価するに値するエディ・ハリスの「転身」盤である。
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