シダー・ウォルトンを聴き直す。
Cedar Walton(シダー・ウォルトン)が気になってきた。エディ・ハリスのリーダー作を聴いていて、バリバリとピアノを弾きまくるシダー・ウォルトンに耳を奪われた。そこはかとなくファンキーでバップな「情熱&躍動ピアノ」。テクニックは確か、端正で正確なタッチ。両手を一杯に使って、ダイナミックにスケールの大きいバップ・ピアノを弾きまくる。
実は僕はウォルトンのピアノが好きだ。アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズに在籍時のアルバムのウォルトンのピアノは見事なバップ・ピアノ。しかも、ハートバップ志向もいけるが、モーダルなジャズもいける。端正で正確なタッチの「情熱&躍動ピアノ」。しかし、ウォルトン個人のリーダー作になると、意外と決定打に欠ける。
最初の活躍の時期が、1960年代後半から1970年代にかけてで、いわゆる「純ジャズの暗黒時代」に、メインストリーム志向の正統派ジャズ・ピアノで勝負していたからだろう。意外とウォルトンって正当に評価されていない様に感じるのだ。次の活躍の時期が、1980年代半ばから1990年代にかけて。ここでは、トリオの快作が多くリリースされている。ウォルトンを聴き直すには、まずはここからだろう。
Cedar Walton『The Trio, Vol. 1』(写真左)。1985年3月28日、イタリアのボローニャ「Sala Europa」でのライヴ録音。イタリアン・レッド・レーベルからのリリース。ちなみにパーソネルは、Cedar Walton (p), David Williams (b), Billy Higgins (ds)。録音状態は中の上。あまりクリアでは無いが、ウォルトンの「情熱&躍動ピアノ」を的確に捉えている。
冒頭は、ウォルトンが力強くコードを連打しつつ、ダイナミックでスケールの広い「情熱&躍動ピアノ」を弾きまくる「My Ship」。迫力満点。テクニックが確かで破綻が無いので、多弁で躍動感溢れるバップ・ピアノがスッと耳に入ってくる。決して、耳障りにはならない。これがウォルトンのピアノの一番の長所。
「Voices Deep Within Me」でのシングルトーンでの弾き回しも良い。疾走感溢れるシングルトーン。思わず、喝采である。トリオのライヴらしく、ベースの印象的なソロもあり、ドラムの情熱的なソロもあり、ピアノ・トリオのライヴ音源としても純粋に楽しめる。ウォルトンのピアノを体験するには、このライヴ盤は良い内容。ウォルトンの「情熱&躍動ピアノ」を浴びるように体感できる。
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