日本人によるディキシーランド
我が国のジャズ・ピアノの雄、小曽根 真(おぞね まこと)。1984年に初リーダー作『OZONE』で、メジャー・デビューして以来、はや39年。小曽根は1961年生まれなので、今年で62歳になる。もうベテランの域。つい最近デビューして、活躍してんな〜、なんて思いつつ、リーダー作は目についたら、まめに聴いていたのだが、もう62歳になるんやね〜。
小曽根 真『Park Street Kids』(写真左)。2022年の作品。渋谷 BODY & SOULでのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、小曽根 真 (p), 中川 喜弘 (tp, vo), 中川 英二郎 (tb, vo), 中村 健吾 (b), 高橋 信之介 (ds) のクインテット編成に、スペシャル・ゲストとして、北村 英治 (cl) が参加している。
冒頭「MississippiRag」から、ディキシーランド・ジャズ志向の演奏全開。ジャケを見て、北村英治のクラリネットがフィーチャリングされているので、スイング・ジャズかと思って身構えて聴き始めたら、ディキシーランド・ジャズがボワッと出てきたので、思わず仰け反る(笑)。現代の硬派なメインストリーム志向の純ジャズのテイストで、ディキシーランド・ジャズをやる。ウィントン・マルサリスが聴いたら、怒ってくるかも(笑)。
端正で切れ味良く、重心が低くファンクネス控えめの「日本人の、日本人による、日本人のための」ディキシーランド・ジャズが展開されていて、聴き応えは抜群に良い。ストライドやブギウギのフレーズも織り交ぜながら、骨太で硬質タッチで流麗な小曽根のピアノが良い味を出している。単純に聴いていて、とても楽しいオールド・スタイルのピアノ。ラグタイムも良い味を出している。小曽根のピアノ・テクニック恐るべしである。
そんな「日本人の、日本人による、日本人のための」ディキシーランド・ジャズの中に、北村英治の小粋で流麗、真摯で明るいクラリネットが飛翔する。北村英治って、1929年(昭和4年)生まれなので、今年で94歳。この盤での北村のクラリネットの力感と流麗な運指を聴いていると、とても93歳(録音当時)とは思えない。まだまだ現役、まだまだ第一線のクラリネットが、実に良い雰囲気で鳴り響く。
今のジャズ、今の音で表現した「日本人の、日本人による、日本人のための」ディキシーランド・ジャズ。聴いていて、なんだかリラックス出来て、何となく幸せな気分に浸りながら、ゆったりとディキシーランド・ジャズに身を委ねことが出来る。テンションの高い純ジャズとは正反対の音作り。でも、これはこれで良い雰囲気。これはこれで「良いジャズ」である。
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