ピアノ・トリオの代表的名盤・99
ジュニア・マンスのピアノはファンキーでソウルフル、端正で明確なタッチが身上。ドライブ感溢れるグルーヴィーな、爽快感溢れる弾きっぷりは爽快感抜群。ビ・バップなピアノを洗練して、ハードバップに乗せたイメージで、高速弾きの曲についても、フレーズが洗練されているので、耳に付かないのが特徴。
Junior Mance『Happy Time』(写真左)。1962年6月20日の録音。ちなみにパーソネルは、Junior Mance (p), Ron Carter (b), Mickey Roker (ds)。リヴァーサイドの傍系レーベル「Jazzland」からのリリース。ベースにレジェンド、ロン・カーター、ドラムにモーダルなドラマー、ミッキー・ローカー。
伸びるトーンと強靱なビート。当時、最先端をいくモーダルなリズム隊をバックにマンスが弾きまくる。といっても、マンスがモーダルなピアノを弾く訳では無い。バックのリズム隊のロンもローカーも、リズム&ビートの基本はハードバップ。逆に、1963年の録音年で、ロンとローカーがハードバップ志向のリズム&ビートを供給している様は珍しいと言えば珍しい。
端正で明確なタッチ、ドライブ感溢れる、グルーヴィーで爽快感溢れる弾きっぷりのマンスのピアノを引き立てる様な、伸びるトーンと強靱なビートを供給するこのリズム隊は素晴らしい。こんな素晴らしいリズム隊に恵まれて、マンスは当時としての「ベスト・パフォーマンス」を繰り広げる。
収録されたどの演奏も、マンスのパフォーマンスの良いところが前面に押し出されていて良い出来。乾いたブルース・フィーリングを湛えた、遅れてきたハードバップ・ピアノ・トリオの名盤といった面持ちで、聴いていてとても心地良く、マンスらしい愛嬌や軽妙さが見え隠れして、聴いていてとても楽しい。
マンスの代表的名盤の1枚として良い、優れた内容。ジャケットもシンプルで良好。それでも、マンスの人気については、我が国ではイマイチなのが残念。何がいけないのか、良く判らないが、少なくとも、初リーダー作『Junior』がマンスの最高作と評価している間はどうしようも無いかな。僕は思う。この『Happy Time』の内容は明らかに『Junior』の上を行く。
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