マクリーン初期の名盤の1枚
ハードバップ期のマクリーンは、歌心満点の「唄う」アルト・サックスが素晴らしい。デビュー時には完成され、個性が確立されたプレイだったが、それに磨きをかけたのが、プレスティッジ時代のリーダー作の数々。
パッと集めてパッと録る、リハーサル無しのぶっつけ勝負録音が特徴のプレスティッジの中で、マクリーンはレギュラー・バンドをベースに、良く鍛錬されたパフォーマンスを聴かせてくれる。真摯なジャズマン、マクリーンの真骨頂。
Jackie Mclean『McLean's Scene』(写真左)。1956年12月、1957年2月の2セッション。ちなみにパーソネルは、1956年12月のセッション(Tracks 1, 3, 4)は、Jackie McLean (as), Bill Hardman (tp), Red Garland (p), Paul Chambers (b), Art Taylor (ds)。1957年2月のセッション(Tracks 2, 5, 6)は、Jackie McLean (as), Mal Waldron (p), Arthur Phipps (b), Art Taylor (ds)。
1956年12月のセッション(Tracks 1, 3, 4)は、マクリーンとハードマンの2管フロントのクインテット編成。1957年2月のセッション(Tracks 2, 5, 6)は、マクリーンが1管フロントのワンホーン・カルテット。1956年12月のセッションは、意外とハードマンが絶好調。1957年2月のセッションのマクリーンのワンホーン・カルテットの演奏が、好調マクリーンの個性と特徴を捉えていて良い内容。
特に、スタンダード曲の吹奏が良い。ミディアム・テンポで演奏される冒頭1曲目の「Gone With The Wind(風と共に去りぬ)」は、ガーランドのピアノに導かれて(ワン・フレーズ聴いて直ぐに判る)、ハードマンのトランペットが好調。マクリーンは、曲の良さに依存せず、自らの個性を活かすような、少し癖の強いフレーズでガンガン攻めている。こういうマクリーンが僕は好きだ。
ゆったりと演奏される3曲目のスタンダード曲「Mean To Me」は、マクリーンとハードマンのアンサンブルが良い雰囲気。こういうゆったりとしたスタンダード曲を伴奏させると、ガーランドは無敵。とても趣味の良いピアノで、マクリーンとハードマンを盛り立てている。
2曲目の「Our Love Is Here To Stay」は、マクリーンがワンホーンの軽快な演奏で、マクリーンがのびのびと聴き応えのあるアドリブ・フレーズを吹き回している。バラード曲、5曲目の「Old Folks」では、マクリーンは彼独特の特徴ある個性的なフレーズで、マクリーンならではのフレーズ展開をじっくりと聴かせてくれる。
プレスティッジ時代のマクリーン初期の傑作として『4, 5 and 6』のタイトルがよく挙がるが、この『McLean's Scene』は、その『4, 5 and 6』と比較して勝るとも劣らない、マクリーン初期の名盤だと思う。プレスティッジ時代のマクリーン初期の名盤として、この2枚は外せないですね。
《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!
★ AORの風に吹かれて
★ まだまだロックキッズ 【New】 2022.12.06 更新
・本館から、プログレのハイテク集団「イエス」関連の記事を全て移行。
★ 松和の「青春のかけら達」
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。
★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
東日本大震災から12年3ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
« 全てのスタイルを吹くハバード | トップページ | 『Other Side of Round Midnight featuring Dexter Gordon』 »
« 全てのスタイルを吹くハバード | トップページ | 『Other Side of Round Midnight featuring Dexter Gordon』 »
コメント