« モーガンのモード・ジャズ 『Search For The New Land』 | トップページ | ブルーノートの新主流派ジャズ »

2023年7月12日 (水曜日)

ウェスのフロント1本の名盤 『The Incredible Jazz Guitar of Wes Montgomery』

1960年代以前、ハードバップ期からジャズの多様化の時代、僕のお気に入りのジャズ・ギタリストは、ウェス・モンゴメリー、ケニー・バレル、グラント・グリーンの3人。ジャズを本格的に聴き始めて、一番後回しになった楽器が「ジャズ・ギター」。やっと、最近、この3人のリーダー作をカタログ順に聴き直していて、順次、記事をアップしている。

『The Incredible Jazz Guitar of Wes Montgomery』(写真左)。1960年1月、NYでの録音。ちなみにパーソネルは、Wes Montgomery (g), Tommy Flanagan (p), Percy Heath (b), Albert Heath (ds)。ウェス・モンゴメリーのギターがフロントのカルテット編成。意外と珍しい、いわゆる「ワン・ギター・カルテット」である。

ギターは旋律を弾く場合、1本の弦をつま弾くので音が細い。ギターは弦が6本あって、ストローク奏法で、6本全部を使うと大きな音になるが、その場合は「リズム楽器」になって、旋律は弾けない。つまり、ギターは単独ではフロント楽器に向かないので、大体はサックスがフロントの相棒に着くケースが多い。

しかし、ウェスは違う。必殺の「オクターヴ奏法」を持っているので、2本の弦で旋律を奏でると、意外と旋律がハッキリする。しかも、ウェスの「オクターヴ奏法」はある程度の高速弾きもいけるとあって、ウェスのギターについては、ギター・アンプの性能と合わせて、オクターヴ奏法を駆使して、ギター1本でフロントを担うことが出来る。
 

The-incredible-jazz-guitar-of-wes-montgo

 
このウェスのリーダー作は、ウェスの「ワン・ギター・カルテット」でウェスのギターが堪能出来る、ということで「名盤」とされる。確かにそうなんだが、オクターヴ奏法で音が太くなるとは言っても、ギターの音色のバリエーションは単調なので、やはり「飽き」がくるのは否めない。

その「飽き」を回避する為に、フロント楽器の相棒が旋律を奏でる時にバックに回って「ストローク奏法」の秒を披露するのだが、この盤にはフロント楽器の相棒の「管」が無い。しかし、この盤では、そんな「管」が無くても困らない。優れた旋律を奏でてくれるフラナガンのピアノがある。

フラナガンが流麗な旋律を奏でる時、ウェスはストロークでバックに回り、ヒース兄弟と組んで、ギター入りのリズム・セクションとして、フラナガンのサポートに徹する。フラナガンのサポートに回った「伴奏のウェス」もこの盤の聴きどころ。ウェスのソロの弾きっぷりばかりがもてはやされるが、ウェスは伴奏に回っても「一流」なのだ。

収録された全8曲のうち、ウェスの自作は3曲、スタンダード曲が5曲。ウェスの自作曲でのパフォーマンスの素晴らしさは当たり前といえば当たり前なのだが、5曲のスタンダード曲でのウェスのパフォーマンスが凄い。鬼気迫るアドリブ・パフォーマンスでガンガンに攻めに攻めている。こんな弾きまくりのウェスは他のリーダー作ではなかなか聴けない。そういう面でも、この盤は「ウェスの名盤」なのかもしれない。
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!

 ★ AORの風に吹かれて 

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

 ★ まだまだロックキッズ    【New】 2022.12.06 更新

    ・本館から、プログレのハイテク集団「イエス」関連の記事を全て移行。

 ★ 松和の「青春のかけら達」

  ・四人囃子の『Golden Picnics
 

Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から12年4ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

Never_giveup_4 
 

« モーガンのモード・ジャズ 『Search For The New Land』 | トップページ | ブルーノートの新主流派ジャズ »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« モーガンのモード・ジャズ 『Search For The New Land』 | トップページ | ブルーノートの新主流派ジャズ »

リンク

  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
  • 松和の「青春のかけら達」(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代Jポップの記事を修正加筆して集約していきます。           
  • AORの風に吹かれて(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    AORとは、Adult-Oriented Rockの略語。一言でいうと「大人向けのロック」。ロックがポップスやジャズ、ファンクなどさまざまな音楽と融合し、大人の鑑賞にも堪えうるクオリティの高いロックがAOR。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、AORの記事を修正加筆して集約していきます。  

カテゴリー