« 北欧ジャズの「ジャズ・ロック」 | トップページ | マクリーンの個性は変わらない »

2023年7月 2日 (日曜日)

クインテットのキャノンボール

リーダー作デビュー2枚目にして、大手ジャズ・レーベルのエマーシーに移籍したキャノンボール・アダレイ。大人数編成のビッグバンド仕様や、ウィズ・ストリングスなど、ジャズをあまり知らない一般の音楽ファンにもしっかり訴求する、耳当たりと聴き心地の良いアルバムを続けざまに3枚、リリースしている。

キャノンボールのアルト・サックスは溌剌として流麗バップなフレーズを吹きまくって良い感じなんだが、どうにも、純ジャズのパフォーマンスとして聴くにはちょっと物足りなかったのは否めない。

Cannonball Adderley『Sophisticated Swing』(写真左)。1957年2月の録音。ちなみにパーソネルは、Cannonball Adderley (as), Nat Adderley (cornet), Junior Mance (p), Sam Jones (b), Jimmy Cobb (ds)。キャノンボールのアルト・サックスとナットのコルネット、兄弟2管フロントのクインテット編成。

エマーシー移籍4枚目にして、やっとクインテット編成の、本格的純ジャズな少人数コンボでのリーダー作をリリース。やっぱりメインストリーム系の純ジャズとして聴くには、まずは少人数コンボでのパフォーマンスが聴きたい。キャノンボールのアルト・サックスを、やっとクインテット編成で聴くことが出来た訳である。
 

Cannonball-adderleysophisticated-swing

 
キャノンボールのアルト・サックスは申し分無い。溌剌として流麗、そこはかとなくファンクネス漂い、テクニック上々。歌心溢れ、ちょっと五月蠅いくらいにブラスの音が鳴り響く。ワンフレーズ聴いて、これってキャノンボールね、と判る位の個性溢れるアルト・サックス。少人数コンボでは、そんなキャノンボールが目立ちに目立つ。

目立つと言えば、フロント管の相棒、弟のナット・アダレイのコルネットも元気溌剌としていて、兄のキャノンボールに負けず劣らず、素晴らしい吹奏を聴かせてくれる。ナットも上手いんだよね〜。このアダレイ兄弟の2管フロントって無敵ですね。

バックのリズム・セクションも良い味出している。ジュニア・マンスのピアノがこれまた溌剌としたバップ・ピアノで聴いていて気持ちが良い。切れ味の良い、そこはかとなくファンクネス漂う弾きっぷりで、フロントのアダレイ兄弟をしっかりと引き立てる。ベースのサム・ジョーンズのベースは堅実、ジミー・コブのドラムは、切れ味良くファンキーなリズム&ビートを趣味良く叩き出している。

「古き良きアメリカ」を彷彿とさせる、オープン・スポーツカーと若きシュッとした金髪の白人女性というジャケ写も雰囲気があって良い。こういう良好なジャケのジャズ盤に外れはありませんね。聴き応え十分な、ファンキー・ジャズ一歩手前の正統なハードバップ演奏がてんこ盛りの好盤です。
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!

 ★ AORの風に吹かれて 

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

 ★ まだまだロックキッズ    【New】 2022.12.06 更新

    ・本館から、プログレのハイテク集団「イエス」関連の記事を全て移行。

 ★ 松和の「青春のかけら達」

  ・四人囃子の『Golden Picnics
 

Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から12年3ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

Never_giveup_4 

« 北欧ジャズの「ジャズ・ロック」 | トップページ | マクリーンの個性は変わらない »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 北欧ジャズの「ジャズ・ロック」 | トップページ | マクリーンの個性は変わらない »

リンク

  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
  • 松和の「青春のかけら達」(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代Jポップの記事を修正加筆して集約していきます。           
  • AORの風に吹かれて(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    AORとは、Adult-Oriented Rockの略語。一言でいうと「大人向けのロック」。ロックがポップスやジャズ、ファンクなどさまざまな音楽と融合し、大人の鑑賞にも堪えうるクオリティの高いロックがAOR。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、AORの記事を修正加筆して集約していきます。  

カテゴリー