「ジャズ・ロック」なジョンスコ
ジョン・スコフィールド(John Scofield、以降「ジョンスコ」と略)の1970年代〜80年代のリーダー作の落ち穂拾い。初リーダー作の『John Scofield Live』(1977年11月録音, Enja)から『Flat Out』(1988年12月録音, Gramavision)まで、15枚のリーダー作の中で、6枚が当ブログで記事として扱っていない。これを順番に聞き直して、記事をアップしていこうと目論んでいる。
John Scofield『Who's Who?』(写真左)。1979年の作品。ちなみにパーソネルは、John Scofield (el-g), Kenny Kirkland (key), Anthony Jackson (b), Steve Jordan (ds), Sammy Figueroa (perc)。3曲目「The Beatles」と6曲目「How the West Was Won」のみ、Dave Liebman (sax) 加わり、Eddie Gomez(b), Billy Hart (ds) にベースとドラムが代わっている。
ジョンスコのリーダー作の4作目。エレギの、ちょっと変態的な捻れ具合、独特にデコボコ流麗に流れるフレーズ、ジョンスコのエレギの個性はこの盤に満載。ジョンスコのエレギの音色、フレーズ作りの個性は完全に確立されている。冒頭の「Looks Like Meringue」のエレギのフレーズを聴けば、直ぐに「ジョンスコや!」と判るくらいに、ハッキリした個性。
この『Who's Who?』は、米国西海岸のアリスタ・レコードからのリリース。演奏全体の雰囲気は明らかにフュージョン・ジャズ寄り。と言っても、硬派なメインストリーム系のクロスオーバー・ジャズな雰囲気を色濃く残していて、フレーズがデコボコ流麗、捻れてはいるが、爽快感と疾走感が全面に押し出され、ジャズ・ファンクな味付けも見え隠れし始めて、メインストリーム志向のジャズロックといった雰囲気が意外と好感度大。
バックのリズム隊も良いサポートを醸し出していて、ベースのアンソニー・ジャクソンとドラムのスティーブ・ジョーダンのコンビネーションはとてもカッチリ整っていてきめ細やか、ジョンスコのブルージー&レイジーで豪胆なエレギのフレーズの弾き回しをがっちりサポートしている。タイトル曲の5曲目「Who's Who?」を聴けばそれが良く判る。
1980年代のジャズ・ファンクな音志向は、まだ始まったばっかりの、どちらかと言えば、シュッとしたデコボコ流麗、捻れたフレーズを弾きまくったフュージョン・ギターといった風情だが、メインストリーム志向の硬派な弾き回しは随所に聴くことが出来るところは、さすがジョンスコといったところ。まだ4作目のジョンスコのリーダー作。最終的な音の志向を目指して発展途上な音作りですが、これはこれで魅力的に響いていて良好。好盤です。
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