ジャズ・ロック、時々純ジャズ
ジョン・スコフィールド(John Scofield、以降「ジョンスコ」と略)の1970年代〜80年代のリーダー作の落ち穂拾い。1970年代後半から1980年代初頭にかけては、エンヤ・レコードとアリスタ・レコードの2つのレーベルを股にかけて、単独リーダー作をリリースしている。大雑把に言えば、エンヤは「メインストリーム志向」、アリスタは「ジャズ・ロック志向」のアルバム作りになっている。
John Scofield『Bar Talk』(写真左)。 1980年8月の録音。アリスタ・レコードからのリリース。ちなみにパーソネルは、John Scofield (el-g), Steve Swallow (b), Adam Nussbaum (ds)。前作『Who's Who?』から、キーボード、パーカッション、管楽器も抜いて、とってもシンプルなギター・トリオな編成。
アリスタ・レコードからのリリースなので、ジャズ・ロック志向の演奏を踏襲しているが、シンプルなギター・トリオになった分、演奏の硬派度合いが増している。ただ、ジョンスコの紡ぎ出すフレーズは、シュッとしたデコボコ流麗、ちょっと捻れたフレーズで、1980年代半ば以降のジャズ・ファンクな雰囲気や、相当に捻れた良い意味での「変態捻れフレーズ」は全く無い。
まだまだ、フュージョン、若しくは、ジャズ・ロック志向のジョンスコではあるが、どこか硬派な「メインストリーム志向」の雰囲気、響きが見え隠れする。どうしてかなあ、とジックリ聴き耳を立ててみたら、スワローのベース・ラインが、意外と「尖っている」。ナスバウムのドラミングも、どちらかと言えば「コンテンポラリーな純ジャズ」な叩きっぷり。
このリズム隊の叩き出す雰囲気、フレーズが、ジャズ・ロック志向のジョンスコのエレギに「メインストリーム志向」の響きを醸し出させているのだ。なるほど、と思う。アリスタ・レコード配下でのリーダー作において、スワローのベース、ナスバウムのドラムを採用したこと自体がユニークといえばユニーク。ジョンスコのセルフ・プロデュースの度合いが高かったのかなあ。とにかく、アリスタに、スティーヴ・スワロー、そして、アダム・ナスバウムは似合わない(笑)。
演奏全体の雰囲気は、一応、アリスタ配下、ジャズ・ロック志向が基本ですが、ところどころ、本来はエンヤでやっている「メインストリーム志向」の雰囲気、響きが見え隠れするところがこのアルバムの聴きどころかと思う。そういう意味では、前作の『Who's Who?』が異色盤だったのかも。とにかく、この『Bar Talk』、ジョンスコにとって、ちょっとユニークな内容のリーダー作に仕上がっています。
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