ソウルフルなスリー・サウンズ
スリー・サウンズ(The 3 Sounds)は、ブルーノートの総帥プロデューサー、アルフレッド・ライオンの肝いりで結成された、ブルーノートお抱えの企画型ピアノ・トリオ。スタンダード曲をメインに、ファンキーで端正でハイ・テクニックなトリオ演奏が魅力で、ピアノ・トリオとしての実力は相当なものがある。しかし、我が国では何故か人気が無い。
The 3 Sounds『Black Orchid』(写真左)。1962年3月7ー8日の録音。ブルーノートの4155番。ちなみにパーソネルは、ene Harris (p), Andrew Simpkins (b), Bill Dowdy (ds)。初出のLPの時は全8曲。CDでのリイシューで、ボートラが大量7曲(6曲のものもある)追加されている。が、この『Black Orchid』を語る上では、初出LPの8曲に絞ることにする。
もともとスリー・サウンズの演奏の基本は「ファンキー・ジャズ」。スタンダード曲がメインの演奏でも、しっかりと「ファンキー・ジャズ」なアレンジを施されていて、ファンキーで端正でハイ・テクニックなトリオ演奏が、スリー・サウンズの個性として定着している。
スリー・サウンズは、スタンダード曲がメインの演奏なので、イージーリスニング志向のピアノ・トリオと勘違いされることが多いが、どのアルバムでも良いから聴いてみると、それは大きな勘違いといういうことが良く判るのではないか。意外と硬派なハードバップな演奏を展開している。そんなファンキー・ジャズ志向のスリー・サウンズが、この盤ではしっかりとソウル・ジャズ志向にシフトしている。
テクニックをひけらかす様な速い曲はひとつも無い。ミッド・テンポな落ち着いた演奏から、スロー・バラードな演奏でこの盤は埋められている。もともとファンクネス漂うトリオ演奏だが、このファンクネスの濃度が濃くなって、テンポはミッド・テンポ、ゴスペル風なフレーズも見え隠れして、この盤の雰囲気は、カラッとしたライトでアーバンなソウル・ジャズ志向なピアノ・トリオといった感じ。
ゆったりとしたテンポの演奏がメインで、難解なモーダルな展開や複雑なコードチェンジなど全く無く、ゆったりとしたテンポで、判り易いフレーズ展開で、カラッとしたライトでアーバンなソウル・ジャズを展開している。ファンクネスの濃度は高く、唄うが如くのフレーズはとことんソウルフル。「聴き手のニーズ」に呼応したブルーノートの4100番台のアルバムが、ここにもある。
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