オルガン・ジャズの隠れ好盤です
我が国のジャズ・シーンでは、オルガン・ジャズは評価が低い時代が続いた。精神性を追求したコルトレーンが絶対的な存在の時代、1960年代後半から、オルガン・ジャズは「俗っぽい」として低評価だった。ファンキーでダンサフルで脳天気なオルガン・ジャズは精神性と芸術性に大きく欠けるとする向きが多かった記憶がある。
ということで、僕がジャズを本格的に聴き始めた1970年代後半の頃は、レコード屋にはオルガン・ジャズは稀少だった。ジミー・スミスだって意外とマイナーな存在。そもそも、ジャズ盤の箱に特別に「オルガン」って無かったような気がする。
オルガン・ジャズが注目され始めたのは、ブルーノートのRVGリマスターの紙ジャケシリーズで、ブルーノートお得意の「オルガン・ジャズ」盤の数々が復刻されたのが切っ掛けだったと思う。それと「レア・グルーヴ」のブーム。レア・グルーブで引用されるジャズ盤の中で、オルガン・ジャズ盤が結構あって、それも注目の切っ掛けだったかと思う。
Freddie Roach『Mo' Greens Please』(写真左)。1963年1月21日、3月11日の録音。ブルーノートの4128番。ちなみにパーソネルは、Freddie Roach (org), Conrad Lester (ts), Kenny Burrell, Eddie Wright (g), Clarence Johnston (ds)。
オルガンのフレディ・ローチがリーダーのカルテット編成。ギターは2人で交代で担当している。ベーシストがいないのは、オルガンがフットペダルでベースラインを担当しているからである。
この盤はブルーノートのカタログ順のリイシュー盤で初めて見た。21世紀に入ってからである。そもそも、フレディ・ローチの名前は知っていたが、このジャケットはそれまで見たことが無かった。やっぱり、その頃までオルガン・ジャズってマイナーな存在だったのかあ、と思う。
聴くと、とってもご機嫌な、グルーヴ感溢れるオルガン・ジャズ盤である。熱いハードバップなファンキー・チューンやボサノバな雰囲気の躍動感のある演奏、はたまた、ライトでブルージーな演奏、そして、オルガン・ジャズお得意のソウル・ジャズ風の演奏。オルガン・ジャズの長所を活かしたご機嫌な演奏の数々。ブルーノートの総帥プロデューサー、アルフレッド・ライオンの手腕、恐るべしである。
これだけ、オルガン・ジャズの楽しさ、グルーヴ感、味わいを伝えてくれるオルガン盤はなかなか無いと思う。今でも、フレディ・ローチのリーダー作の中でもマイナーな存在だとは思うが、とにかく、オルガン・ジャズは聴いて楽しく、聴いてグルーヴィーでないと、と常々思っているので、この盤オルガン・ジャズの隠れ好盤だと思います。
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