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2023年4月27日 (木曜日)

ファンキー&ソウルフル濃厚

ブルーノートの4100番台は、録音時期としては、Donald Byrd『Royal Flush』(1961年9月21日の録音)から始まって、Lee Morgan『The Rumproller』(1965年4月21日の録音)まで、1961年後半から1965年前半になる。

この約4年間で、4100番台、きっちり100枚のアルバムを制作〜リリースしている(中には、当時、お蔵入りになって、後に発掘リリースされたものもあるが)。

ちょうど、ジャズとしては、ハードバップが成熟し、ハードバップを基に、ファンキー・ジャズ、ソウル・ジャズ、モード・ジャズ、フリー・ジャズなど、ジャズの多様化の時代として、それぞれの志向のジャズに進化していった時期である。ブルーノートは、この多様化の時代の、それぞれの志向のジャズを、偏り無く、しっかりと録音に残している。

Grant Green『Am I Blue』(写真左)。1963年5月16日の録音。ブルーノートの4139番。ちなみにパーソネルは、Grant Green (g), Johnny Coles (tp), Joe Henderson (ts), "Big" John Patton (org), Ben Dixon (ds)。パッキパキ硬派で、こってこてファンキーなシングル・トーンが個性のグラント・グリーンがリーダーのクインテット編成。ベースはオルガンが兼任するので、ベーシストはいない。
 

Grant-greenam-i-blue

 
この盤、ブルーノート・レーベルの紹介本には、代表盤として名前が上がることが殆ど無い盤なのだが、これがまあ、ギターがメインのファンキー・ジャズとして、はたまた、ファンキーなオルガン・ジャズとして、とっても素敵な演奏が詰まっている「隠れ名盤」なのだ。

とにかく、こってこてファンキーなグリーンのギターと、ブルージー&グルーヴィーなジョン・パットンのオルガンとの相性が抜群で、相乗効果で、ファンクネスを更に濃厚にしている。

フロント管は、ジョニー・コールのトランペット、ジョー・ヘンダーソンのテナーの2管なのだが、この2管もギターとオルガンが強烈に醸し出すファンクネスにどっぷり浸かって、とってもファンキーなフレーズ、とってもファンキーなユニゾン&ハーモニーを吹き上げている。特に、モードが得意なジョーヘンが、ご機嫌なファンキー・テナーを吹き上げている様が、実に微笑ましい。

ブルージーというより、ゴスペルでソウルな雰囲気が印象的。キレッキレの演奏とは違って、どこか適度にテンションを張った、不思議な「脱力感」が漂う、ファンキー&ソウルフルな演奏が実に良い。おもわず「ニンマリ」してしまう。適度に脱力はしているが、演奏自体はしっかり「締まっている」ところが、また良い。

この盤、ファンキー&ソウル・ジャズ、そして、オルガン・ジャズのファンには堪らない内容。やっぱ、隠れ名盤でしょう。
 
 

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