ソウル, R&B志向のワシントンJr.
Grover Washington, Jr.(グローヴァー・ワシントン・ジュニア、以降「ワシントンJr.」と略)の聴き直しと再評価を進めている。
ワシントンJr.は、あのソフト&メロウなフュージョン・ジャズの名盤『Winelight』のイメージが強くて、我が国では、軟弱でイージーリスニング志向の「スムース・ジャズ」なサックス奏者というレッテルを貼られて久しい。しかし、ワシントンJr.のリーダー作を初リーダー作から遺作まで聴き通すと「それは違うなあ」ということが良く判る。
Grover Washington, Jr.『Reed Seed』(写真)。1978年の作品。ちなみにパーソネルは、Grover Washington Jr. (sax), James "Sid" Simmons, John Blake Jr. (key), Richard Lee Steacker (el-g), Tyrone Brown (b), Millard "Pete" Vinson (ds), Leonard "Doc" Gibbs (perc), Derrick Graves (arr)。
ワシントンJr. が、多くの好盤を残したkudoレーベルを離れて、モータウンからリリースした「移籍第一弾」。モータウンといえば、ソウル、R&Bがメインのメジャー・レーベルだが、ワシントンJr. は、意外と硬派な「フュージョン・ジャズ」で勝負している。
が、アレンジの志向としては、ライトな「ソウル、R&B」志向のアレンジがなされており、他の「ソフト&メロウな」フュージョン・ジャズ盤とは一線を画する、ソウルもしくはR&B志向のフュージョン・ジャズがとても個性的。
内容的には実に充実して優れていると思うんだが、我が国では何故か「ソウルもしくはR&B志向のフュージョン」は受けが悪い。この盤も、ワシントンJr.のリーダー作紹介の中で、そのタイトル名が上がることは無い(僕は見たことが無い)。
しかし、である。この盤、ソウルもしくはR&B志向のフュージョン盤として、とても良い内容なのだ。後にサンプリングされている曲もあって、実にナイスな、ライトでアーバンなジャズ・ファンクな志向も見え隠れする。ラストのワシントンJr.作の「Loran's Dance」のファンクネスは実に芳しく、Billy Joelの「Just The Way You Are(素顔のままで)」のソウルフルなカヴァーはとても良い。
ワシントンJr. のサックスは、ライトな「ソウル、R&B」志向のアレンジの中、意外と力強くテクニカル。歌心は当然「抜群」で聴き応えがある。ワシントンJr. の好盤として、再評価すべき好盤だと思います。
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