西海岸ジャズでホッと一息です
このところ、天気が良くない。加えて、今日などは「寒い」。先週から3月としては暖かすぎる陽気が続いていたが、今日の、ここ千葉県北西部地方の最高気温は「冬」。昨日の最高気温から10℃以上下がったのだからたまらない。外は雨が降り続いているし、こういう鬱陶しい天気の日には、カラッとクールなウエストコースト・ジャズが良い。
Tricky Lofton & Carmell Jones With The Arrangements of Gerald Wilson『Brass Bag』(写真)。1962年、Hollywoodでの録音。ちなみにパーソネルは、Carmell Jones (tp), Lawrence 'Tricky' Lofton, Bob Edmondson, Wayne Henderson, Frank Strong, Lou Blackburn (tb), Wilbur Brown (ts), Bobby Hutcherson (vib), Frank Strazzeri (p), Leroy Vinnegar (b), Ron Jefferson (ds), Gerald Wilson (arr)。
ということで、ウエストコースト・ジャズの「小粋なアルバム」を物色する。それも、ゆったり「ながら」で聴ける感じの盤が良い。そこで選盤したのがこの盤。西海岸ジャズのレジェンド中のレジェンド、名トランペッター&アレンジャーのジェラルド・ウィルソンがアレンジを手掛けた、ウエストコースト・ジャズらしい「聴かせるジャズ」。
5本のトロンボーン・アンサンブルが、この盤のアレンジの「ミソ」。ビッグバンド・ライクな厚みのあるユニゾン&ハーモニーを5本のトロンボーンで表現するという荒技。これぞ「アレンジの妙」。とっても良い「ジャジーな雰囲気」を醸し出している。
この5トロンボーン・アンサンブルに、フランク・ストラゼリのピアノ、リロイ・ヴィネガーのベース、ロン・ジェファーソンのドラムの「西海岸らしい」リズム・セクションが絡んで、とってもジャズっぽく厚みのある、お洒落で小粋なバッキングが成立している。
この小粋なバッキングを背に、カーメル・ジョーンズのトランペット、ウィルバー・ブラウンのテナー・サックス、ボビー・ハッチャーソンのヴァイブがフロントを張って、流麗で小粋で歌心溢れるソロを披露する。これが実に良い。やっぱ、ウィルソンのアレンジが効いているんやろな。聴いていて「ジャズってええな〜」って、リラックスして気持ち良く、出てくる音に身を委ねることが出来る。
特に、カーメル・ジョーンズのトランペットが心地良い響き。「Canadian Sunset」では、思わずウットリと聴き惚れてしまうくらい。タイトル曲の「Brass Bag」での溌剌としたホットなブロウも良い。ブリリアントで滑らかでスッと音が伸びて、運指は流れる様に、フレーズは唄うが如く、カーメル・ジョーンズのトランペットは魅力的。ウィルソンのアレンジがメインの盤なんで、カーメル・ジョーンズの出番がちょっと少ないのが「玉に瑕」かな。
実にウエストコースト・ジャズらしい、優れたアレンジの下、名うての名手達がフロントを張って、印象的なソロを展開する。いわゆる「小粋で聴かせるジャズ」がこの盤にてんこ盛り。この盤を聴いていると、知らず知らずのうちにリラックス出来て、聴き終えた後、必ず「やっぱウエストコースト・ジャズもええなあ」と独り言を呟く。そんな好盤です。
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