« ベテランのネオ・ハードバップ | トップページ | スリー・サウンズの音の変化 »

2023年3月25日 (土曜日)

西海岸ジャズでホッと一息です

このところ、天気が良くない。加えて、今日などは「寒い」。先週から3月としては暖かすぎる陽気が続いていたが、今日の、ここ千葉県北西部地方の最高気温は「冬」。昨日の最高気温から10℃以上下がったのだからたまらない。外は雨が降り続いているし、こういう鬱陶しい天気の日には、カラッとクールなウエストコースト・ジャズが良い。

Tricky Lofton & Carmell Jones With The Arrangements of Gerald Wilson『Brass Bag』(写真)。1962年、Hollywoodでの録音。ちなみにパーソネルは、Carmell Jones (tp), Lawrence 'Tricky' Lofton, Bob Edmondson, Wayne Henderson, Frank Strong, Lou Blackburn (tb), Wilbur Brown (ts), Bobby Hutcherson (vib), Frank Strazzeri (p), Leroy Vinnegar (b), Ron Jefferson (ds), Gerald Wilson (arr)。

ということで、ウエストコースト・ジャズの「小粋なアルバム」を物色する。それも、ゆったり「ながら」で聴ける感じの盤が良い。そこで選盤したのがこの盤。西海岸ジャズのレジェンド中のレジェンド、名トランペッター&アレンジャーのジェラルド・ウィルソンがアレンジを手掛けた、ウエストコースト・ジャズらしい「聴かせるジャズ」。

5本のトロンボーン・アンサンブルが、この盤のアレンジの「ミソ」。ビッグバンド・ライクな厚みのあるユニゾン&ハーモニーを5本のトロンボーンで表現するという荒技。これぞ「アレンジの妙」。とっても良い「ジャジーな雰囲気」を醸し出している。
 

Tricky-lofton-carmell-jonesbrass-bag

 
この5トロンボーン・アンサンブルに、フランク・ストラゼリのピアノ、リロイ・ヴィネガーのベース、ロン・ジェファーソンのドラムの「西海岸らしい」リズム・セクションが絡んで、とってもジャズっぽく厚みのある、お洒落で小粋なバッキングが成立している。

この小粋なバッキングを背に、カーメル・ジョーンズのトランペット、ウィルバー・ブラウンのテナー・サックス、ボビー・ハッチャーソンのヴァイブがフロントを張って、流麗で小粋で歌心溢れるソロを披露する。これが実に良い。やっぱ、ウィルソンのアレンジが効いているんやろな。聴いていて「ジャズってええな〜」って、リラックスして気持ち良く、出てくる音に身を委ねることが出来る。

特に、カーメル・ジョーンズのトランペットが心地良い響き。「Canadian Sunset」では、思わずウットリと聴き惚れてしまうくらい。タイトル曲の「Brass Bag」での溌剌としたホットなブロウも良い。ブリリアントで滑らかでスッと音が伸びて、運指は流れる様に、フレーズは唄うが如く、カーメル・ジョーンズのトランペットは魅力的。ウィルソンのアレンジがメインの盤なんで、カーメル・ジョーンズの出番がちょっと少ないのが「玉に瑕」かな。

実にウエストコースト・ジャズらしい、優れたアレンジの下、名うての名手達がフロントを張って、印象的なソロを展開する。いわゆる「小粋で聴かせるジャズ」がこの盤にてんこ盛り。この盤を聴いていると、知らず知らずのうちにリラックス出来て、聴き終えた後、必ず「やっぱウエストコースト・ジャズもええなあ」と独り言を呟く。そんな好盤です。
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!

 ★ AORの風に吹かれて 

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

 ★ まだまだロックキッズ    【New】 2022.12.06 更新。

  ・本館から、プログレのハイテク集団「イエス」関連の記事を全て移行。

 ★ 松和の「青春のかけら達」

  ・四人囃子の『Golden Picnics』

 
Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から12年。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

Never_giveup_4 
 

« ベテランのネオ・ハードバップ | トップページ | スリー・サウンズの音の変化 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« ベテランのネオ・ハードバップ | トップページ | スリー・サウンズの音の変化 »

リンク

  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
  • 松和の「青春のかけら達」(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代Jポップの記事を修正加筆して集約していきます。           
  • AORの風に吹かれて(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    AORとは、Adult-Oriented Rockの略語。一言でいうと「大人向けのロック」。ロックがポップスやジャズ、ファンクなどさまざまな音楽と融合し、大人の鑑賞にも堪えうるクオリティの高いロックがAOR。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、AORの記事を修正加筆して集約していきます。  

カテゴリー