ショーターのリーダー作第3弾 『Wayning Moments』
しかし、ウェイン・ショーターの逝去はショックが大きい。ジャズを本格的に聴き始めた頃から、ずっとお気に入りのテナーマンとして、リーダー作を収集し、ウェザー・リポートのアルバムをコンプリートしたりして、ショーターのテナーを愛でてきた。
とにかく、あの「不思議ちゃんな、心地良く捻れたモーダルなフレーズ」がお気に入り。大きな音でストレートにブワーッと吹き上げるのも良い。出てくるアドリブ・フレーズが唯一無二で、スピード感溢れる吹き回しが堪らない。そんな、大のお気に入りのテナーマンの1人が天に召されたのだ。
Wayne Shorter『Wayning Moments』(写真左)。1961年11月2日, 6日の録音。ちなみにパーソネルは、Wayne Shorter (ts), Freddie Hubbard (tp), Eddie Higgins (p), Jymie Merritt (b), Marshall Thompson (ds)。リーダーのショーターのテナー、ハバードのトランペットがフロント2管のクインテット編成。
ショーターのジャズ・メッセンジャーズ時代、1963年にマイルス・バンドに加入する前の、ビージェイ・レーベルに残したアルバムの3枚目。ストレートアヘッドなブロウが魅力のアルバムで、若き日(とはいえ当時28歳だけど...)のショーターの魅力満載の盤である。全8曲中、3曲がスタンダード曲。ショーターのオリジナルが3曲、ピアノのヒギンスのオリジナルが1曲。まずは、この3曲のスタンダード曲でのショーターのブロウが聴きもの。
1曲目の「Black Orpheus(黒いオルフェ)」のショーターのテナーが良い。このブロウを聴けば、ショーターはただ者で無いことが良く判る。意外とストレートに吹きまくるショーターが印象的。捻れたモーダルなフレーズはそこそこに、ハードバップ風に展開するショーターのテナーは魅力に溢れている。
そして、もう1人のフロント、ハバードが珍しく抑制が効いたトランペットで、ウォームで流麗なソロを吹いている。このハバードのトランペットが、この「Black Orpheus」をアーバンでクールな表現に染め上げている。
この1曲目「Black Orpheus」の吹奏で代表される様に、この盤では、ハードバップに吹きまくるショーターのテナーとハバードのトランペットを心ゆくまで愛でることの出来る好盤。バックのリズム・セクションも目立たないが、堅実なサポートをしていて安定感がある。
この盤はショーターとハバードのフロント2管の吹奏が堪能出来る。目立ちたがり屋のハバードも、ショーターの前では、程良く抑制の効いた魅力的なトランペットを吹いていて、ショーターのテナーの雰囲気にバッチリあったフレーズを吹いていて立派。ストレートアヘッドなテナーで、スタンダード曲を魅力的に吹き上げるショーターは素敵だ。
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