小粋なジャズの相性抜群なコンビ
小粋なジャズ盤を探索して聴き漁っているうちに、小粋なジャズ盤に必須の「小粋な演奏」を量産出来る「相性抜群のコンビ」というものが存在するんじゃないか、と思い始めた。オスカー・ピーターソンとハーブ・エリスとか、ビル・エヴァンスとジム・ホールとか、この二人をコンビを組んで演奏すれば、絶対に「小粋なジャズ」が出来上がる。そんな「相性抜群なコンビ」というものがどうもあるみたいなのだ。
『Teddy Wilson Meets Eiji Kitamura』(写真左)。1970年、テディ・ウィルソンが来日時に北村英治とレコーディングしたセッションをLP化したもの。ちなみにパーソネルは、北村英治 (cl), Teddy Wilson (p), 原田政長 (b), Buffalo Bill Robinson (ds), 増田一郎 (vib)。第5回(1971年度)ジャズ・ディスク大賞(スイング・ジャーナル誌主催)最優秀録音賞を受賞した優秀盤である。
ウィルソンと北村が「相性抜群なコンビ」によってつくりあげたスタンダード集。『After You've Gone』(写真右)というタイトルで再発されているものもあるみたいだが、どちらの盤も聴いてみたが違いは無い。冒頭の「On The Sunny Side Of The Street」から抜群に良い雰囲気。リラックスして、穏やかだが力強い。ゆったりとしたスイング感。ゆったりとしたテンポに漂うファンキーなグルーヴ感。
この盤に漂う抜群のスイング感とグルーヴ感は、北村のクラリネットのウィルソンのピアノによる「賜物」。北村のクラリネットは穏やかだが力強くスインギー。そのバックでリズム・セクションとして北村のクラリネットをサポートし鼓舞するウィルソンのピアノがファンキーでグルーヴィーでスインギー。この二人の相乗効果で、この素晴らしくスインギーで小粋なスタンダード集が出来上がっている。
北村のクラリネットは「スイング・ジャズ」志向。ウィルソンのピアノは「スイングからハードバップ直前の中間派」志向。どちらもハードバップ志向のジャズとは雰囲気が違うが、モダンなジャズには変わりが無い。スタンダード曲の解釈とアドリブ部の展開について、北村とウィルソン双方の嗜好がバッチリ合っているみたいで、二人のユニゾン&ハーモニー、そして、インタープレイに淀みが無い。
こんな「中間派」の小粋なジャズって、聴いていて、ほのぼのして、リラックス出来て、しみじみする。そして、ずっと演奏を聴き進めて行くと、このクインテットの演奏って、それぞれの楽器のテクニックと歌心が抜群で、凄く聴き応えがあるのが判ってくる。こういう「小粋なジャズ」って捨てがたい魅力満載。今でも、たまに引っ張り出しては聴く好盤です。
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