納浩一『琴線/ The Chord』です
もともと、ジャズ・ライフ誌は、日本のジャズの新盤を結構多く扱っているので、その時その時の日本のジャズの活性度合いや活躍度合いが良く判る。「Disc Grand Prix 年間グランプリ」でも、日本のジャズ・ミュージシャンの優秀盤が結構な数、上がっている。頼もしい限りである。
納浩一『琴線/ The Chord』(写真左)。2006年1月のリリース。ちなみにパーソネルは、納浩一 (b), クリヤ・マコト (p), 則竹裕之 (ds), 小沼ようすけ (g)。「納浩一」=おさむ こういち、と読む。納浩一はベーシスト。和ジャズでは珍しいベーシストのリーダー作。2006年の作品なので、ちょっと古いが、内容は現代の耳にも十分に訴求する優れた内容。
収録曲各曲で、納浩一のベースがしっかりとした存在感を出しつつ、演奏のベースラインをガッチリと支えている。とにかく、納浩一のベースラインが力強く流麗で端正。フロントのフレーズを邪魔すること無く、納浩一のベースラインがクッキリ浮き出てくる。ベースの弾き方が素晴らしくハイテクニックなんだろう。
そして、この盤、選曲が凄く良い。僕がジャズを本格的に聴き始めた頃、1970年代後半より、リアルタイムで聴いた、新しい世代の名曲がズラリと並ぶ。「Bud Powell」「Three Views Of A Secret」「Some Skunk Funk」「I Wish」などは、原曲がスッと思い浮かぶほどの愛聴曲。これを、シュッとしたクールなアレンジでカヴァーされる。そして、その底に、しっかりとハイテクニックな納浩一のベースがしっかりと流れている。
フロントを担うクリヤ・マコトが、溌剌としてエッジが快く立って、バリバリと躍動感溢れるピアノを弾きまくる。これがかなり「聴きもの」である。そして、ゲストで2曲に参加している小沼ようすけのギターが小粋で良い。たった2曲の参加だが、とても良いアクセント。冒頭の「Actual Proof」と6曲目の「Some Skunk Funk」で、バンバン弾きまくっている。
ベーシストのリーダー作として、内容優秀な好盤。何より選曲が良い。選曲が良くて演奏が良い。日本のジャズのみならず、グローバルなレベルで、このベーシストのリーダー作は高く評価されて然るべき内容だと思う。
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