メリッサ・アルダナを初めて知る
毎月、新しくリリースされる盤を聴いていると、ジャズは生きているなあ、と実感する。未だに、ジャズの新人はコンスタントにデビューしてくるし、新人の有望株は着実にリーダー作を重ねて、中堅にステップアップしている。中堅ジャズマンは、着実に経験と年齢を重ねて、ベテラン・ジャズマンへと昇華していく。
Melissa Aldana『12 Stars』(写真左)。2022年3月のリリース。ちなみにパーソネルは、Melissa Aldana (ts), Sullivan Fortner (key), Pablo Menares (b), Kush Abadey (ds), Lage Lund (g)。メリッサ・アルダナのブルーノート・レーベルのデビュー作である。
メリッサ・アルダナ(Melissa Aldana)は、チリのサンチャゴ出身。ブルックリンを拠点に活動する33歳の女流テナー・サックス奏者。ソニー・ロリンズを聴いて、テナーを持ったと聞く。
初リーダー作は2010年。マイナー・レーベルのインナーサークルからのリリースだった。そして、今回、メジャー・レーベルのブルーノートからのリリースである。メリッサの「ジャイアント・ステップ」である。
メリッサのテナーを初めて聴いたが、テクニックは申し分無し。それでいて、そのテクニックをひけらかす様な、シーツ・オブ・サウンドを吹き回すことはしない。排気量の大きい車が、悠然とゆっくりと走る様な、良い意味での「余裕」を感じる吹きっぷり。これって、ベテランの吹きっぷりやん、と突っ込みを入れたくなる(笑)。
各曲の演奏自体の「組立て、展開、トーン選び」がしっかりしていて感心する。テナーを技倆良く吹くだけでなく、演奏のオーガーナイザーとしての才能もしっかり持っていると聴いた。近い将来、アレンジ&コンポーズにも長けた、総合力で勝負するテナー奏者に成長するのではないか、という「伸びしろ」をこの盤を聴いていて感じる。
ギターのラージ・ルンドの存在も良いアクセント。音の志向としては、メリッサと同じ志向をしている様で、思索的で瞑想的な「静的なスピリチュアル」な響きが実に印象的。そんなルンドが、この盤のプロデュースを担当しているもの興味深い。
静的なスピリチュアル・ジャズを志向している様なメリッサの新盤。とても思索に富み、とても考慮に富んでいる、数々のフレーズを聴いているうちに、ついつい引き込まれていく。不思議な魅力を持ったメリッサの新盤である。
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