MJQのモントルー・ライヴ '82
僕の大好きな伝説のカルテット、モダン・ジャズ・カルテット(Modern Jazz Quartet・MJQと略)のアルバムの落ち穂拾いをしている。主だったアルバムは、このブログの初期に記事をアップしているのだが、まだまだ聴き方も未熟で、リライトしたいアルバムもある。改めて、ディスコグラフィーと照らし併せてみて、まだ10枚程度、記事にしていないアルバムがあるみたいで、せっせと聴き直している。
The Modern Jazz Quartet『Together Again! - Live At the Montreux Jazz Festival '82』(写真左)。1982年7月25日、スイスのモントルー・ジャズ・フェスでのライヴ録音。Pabloレーベルからのリリース。ちなみに不動のパーソネルは、Milt Jackson (vib), John Lewis (p), Percy Heath (b), Connie Kay (ds)。4人のメンバー全員が鬼籍に入ってしまっていて、名実共に「伝説のカルテット」である。
このライヴ盤は、MJQが1974年に一旦解散し、その後、1981年に日本ツアーのために再会〜再結成した後、翌年のモントルー・ジャズ・フェスに出演した時のライヴ録音。時代はフュージョン・ジャズ全盛期でありながら、MJQの再結成はジャズ者の方々に好意的に受け入れられた様で、ジャズ・フェスの観客の反応も熱気溢れるもの。
再結成を好意的に受け入れられた状況をしっかりと受け止めて、MJQの演奏は、いつに増して熱が入っている。フュージョン・ジャズ全盛期の影響なのか、演奏のスピードがちょっと速くて、疾走感溢れる弾き回しが凄い。
特に、ミルト・ジャクソンのヴァイブは気合い十分で、とにかく高速フレーズを弾きまくる弾きまくる。ジョン・ルイスのピアノは至って冷静で、ミルトの暴走を未然に防いでいる様だ。
恐らく、MJQの歴史上で、一番、高速な演奏だと思うが、リズム隊のパーシー・ヒースのベースとコニー・ケイのドラムが、その高速演奏についていくどころか、リードしているのには驚いた。やはり、このMJQの4人、演奏テクニックは抜群なのだ。4人が一体となって疾走感溢れる、流麗で味わい深い演奏を繰り広げている。
収録された曲は全て、MJQが演奏しなれた、定番曲がズラリと並ぶ。それでも、アレンジは少しずつ、1980年代前半に合わせて、洒落てシュッとしたものにリアレンジされていて、ジョン・ルイスのアレンジ力の高さを改めて感じた次第。
あまり話題に上がらない、MJQのアルバムの中でも注目されないライヴ盤だが、その時代の雰囲気を反映していて、これはこれで「アリ」の好ライヴ盤だと思います。MJQのライヴ盤で「いの一番」に聴くライヴ盤ではありませんが、他の有名なライヴ盤を聴いた後に聴くと、MJQの演奏力の奥の深さを感じることが出来ます。
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