MJQの「この盤は外せない」
ジャズ界の伝説のカルテットのひとつ「モダン・ジャズ・カルテット(MJQ)」のアルバムの落ち穂拾いを進めているのだが、意外と「え〜っ、こんな盤がまだこのブログで語ってないのか」なんて、変に感心する盤もあったりして、なかなか面白い。MJQのアルバムについては、当ブログの初期の頃に定期的に語っていたのだが、このところ、MJQを扱うことは全く無かったからなあ。
『The Modern Jazz Quartet』(写真左)。1957年4月5日の録音。ちなみにパーソネルは、Milt Jackson (vib), John Lewis (p), Percy Heath (b), Connie Kay (ds)。鉄壁のカルテット。ドラムも、ケニー・クラークから、コニー・ケイに代わっている。クインテット名がズバリ、タイトルになっているので、デビュー盤と勘違いしそうだが、10枚目のオリジナル盤になる。どうして、こういうタイトルになったかは、ちょっと判らない。
この『The Modern Jazz Quartet』は『Fontessa』(1956年1ー2月録音)や『The Modern Jazz Quartet Plays No Sun in Venice(たそがれのベニス)』(1957年4月録音)と、バロック志向、クラシックの演奏手法をベースにした「企画型」のアルバムに続くオリジナル盤なのだが、その内容は、前の企画型の2枚とは明らかに異なる。ストレート・アヘッドな、純ジャズなMJQの演奏が堪能出来る。
3曲目の「La Ronde: Drums」が、ジョン・ルイス作である以外は、ジャズ・スタンダード曲で占められている。冒頭はメドレーで「 They Say It's Wonderful 〜 How Deep Is the Ocean 〜 I Don't Stand a Ghost of a Chance With You 〜 My Old Flame 〜 Body and Soul」。有名スタンダード曲が5曲連続するメドレーだが、そのアレンジが見事。MJQの音楽監督、ジョン・ルイスの面目躍如である。
そんなジャズ・スタンダード曲がズラリと並ぶ魅力盤だが、特に「Night In Tunisia」と「Bags' Groove」のミルト・ジャクソンのヴァイブによるアドリブ・ソロが見事。ファンクネスを豊かに湛え、鼻歌を唄うような滑らかさで、流れる様に華やかにヴァイブのソロ・パフォーマンスが弾き進む。他のスタンダード曲においても、ミルトのヴァイブも素晴らしいが、特に「Night In Tunisia」と「Bags' Groove」は聴きものである。
MJQのアルバムを見渡すと、ジャズ・スタンダード曲のチョイスがあまり多く無いことに気付く。それだけ、オリジナル曲の内容が優れているということなんだが、やはり、ジャズのコンボである以上、スタンダード曲に対する取組みと成果も確かめてみたい。そんな欲求にしっかり応えてくれる『The Modern Jazz Quartet (1957)』である。
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