フルート主役のジャズ・ファンク
ジャズ・ファンクにジャズ・フルートをマッチさせた、ジャズ・フルートのレジェンドの一人「Hubert Laws(ヒューバート・ロウズ)」。その最初のアルバムと思われる『Romeo & Juliet』以降、フュージョン・ジャズ全盛期、1970年代後半から1980年代円半、ロウズは「ソフト&メロウなジャズ・ファンク」志向をメインとする。
Hubert Laws『Family』(写真)。1980年の作品。ちなみにパーソネルは、Hubert Laws (fl, piccolo), Nathan East (b), Leon Ndugu Chancler (ds), Chick Corea, Bobby Lyle (key), Earl Klugh (g), David T. Walker (g) Debra Laws (vo) 等、そこにストリングスがバックに入る。ロウズの「ソフト&メロウなジャズ・ファンク」の代表盤。
内容的には、ライトでアーバンな雰囲気の「ソフト&メロウなジャズ・ファンク」。演奏全体に漂うファンクネスとグルーヴ感が半端ない。とにかく聴いていて自然と足が動き、腰が動く(笑)。そんなグルーヴィーなフュージョン・ジャズ満載で、これまでカヴァーからサンプリング・ネタに至るまで幅広い世代に支持され、特に、フリーソウル、ヒップ・ホップ方面から再評価の高い1枚である。
冒頭はクラシック曲のカヴァー「Ravel's Bolero」から始まるので「あれ〜っ」と思うのですが、この「ラベルのボレロ」も意外とファンキーでライトなグルーヴ感が漂う「ジャズ・ファンク仕様」。クラシックにも精通するロウズならではの選曲であり演奏であるかも、と意外と納得して次の曲にいく。
次曲「What a Night」から「ソフト&メロウなジャズ・ファンク」に突入。この曲はサンプリング・ソースとしても人気のソフト&メロウなフュージョン・ジャズ。ミディアム・テンポの曲調にロウズのフルートが心地良く吹き進む。続いて「Wildfire」は、ファンキーなブラジリアン・フュージョン。疾走感が半端ない。ネイザン・イーストのベース・ラインが決まっている。
そして、極めつけは、やはり、タイトル曲の「Family」。ロウズの妹、デボラ・ロウズの魅力的なヴォーカルをフューチャーした、アーバンな雰囲気溢れる、ソフト&メロウなディスコ・フュージョン。フリーソウル・クラシックとしても人気の楽曲で、カヴァーやサンプリング・ソースの扱い多数。
あと「Memory of Minnie (Riperton) 」は、ゲスト参加のチック・コリアのピアノ・ソロが秀逸。そして、ラストの「Say You're Mine」は、バラードと思わせておいて、一気にファンキー・モードへ突入する、こってこての「ジャズ・ファンク曲」。
この盤、ジャケットが赤ん坊の写真をあしらったものなので、家庭で流せる優しいイージーリスニング・ジャズな盤なのか、という印象を持つんですが、とんでもない(笑)。中身は、アーバンで、むっちゃファンキーでグルーヴ感溢れる「ソフト&メロウなジャズ・ファンク」が満載。ジャケットに惑わされずに、フルートがメインのジャズ・ファンクを堪能して下さい。
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