ジョン・レノンの42回目の命日
12月8日、ジョン・レノンの命日。1980年12月8日、ジョン・レノンは凶弾に倒れた。40歳にて急逝であった。42年前のことである。
ジョン・レノンの名前を知らない人、ジョン・レノンに興味の無い人にとっては、何のことか良く判らないだろう。しかし、僕達にとっては大事件中の大事件、今までの逝去に関するニュースで一番ショックだった出来事である。
「何故、ジョンが撃たれたのか、40歳で命が途絶えたのか」。あれから42年経った今でも、その真相は藪の中だ。今でも強く思う。何故、ジョンは撃たれなければならなかったのか、と。
僕の生涯の中で、この「ジョンの死」が一番不条理なものだと思う。ロック・ミュージシャンの急逝のよくある理由の「オーバードーズ」では無いのだ。全く知らない狂人に、ふいに銃で撃たれて死んだのだ。当時、僕はまだ大学生。この不条理が理解出来なくて、しばらくの間、下宿で親友と飲んだくれていた。今でも、ジョンの逝去については、思い出す度に無力感に囚われる。
さて、ジャズである。ジョン・レノンの楽曲をカヴァーしたジャズ盤はあるのか、ということなんだが、探せば数枚はある。楽曲単独のカヴァーは、圧倒的に「Imagine」がカヴァられている以外は、あまり無い。
ジョンの楽曲はシンプルなものが多いので、ジャズ化はし易いかと思うのだが、ジョンが亡くなって42年。恐らく「Imagine」以外、若い世代のジャズマンは、ジョンの楽曲を知らないのかもしれない。
Edison Jazz Console『Imagine -Jazzcover John Lennon Songs』(写真左)。2002年のリリース。「探せば数枚ある」中の1枚。本作はジョン・レノンの作品をジャズ風にアレンジしたアルバム。アシッド・ジャズ、ラウンジなど多彩なアレンジで、ジョンの名曲をカヴァーしている。
収録曲は「Imagine」「Woman」「(Just Like) Starting Over」「Beautiful Boy」「Love」「Jealous Guy」「Watching The Wheels」「Real Love」「Instant Karma」「Mind Games」の10曲。冒頭の「Imagine」は鉄板。個人的には、「Woman」「(Just Like) Starting Over」「Mind Games」の収録が嬉しい。
どの曲もジャズとして違和感の無いアレンジが施されている。ロックのジャズ・アレンジについては、ラウンジ風のイージーリスニング・ミュージックになってしまう「トホホ」なものも多々あって、このジョンの楽曲のジャズ化もそれを危惧するのだが、聴いてみてホッとした。意外とちゃんとモダン・ジャズしているのだ。
テーマがあってアドリブがあって、アドリブもしっかりジャズっぽい。テーマの処理もジャズらしい工夫がいろいろ施されていて、ラウンジ&カクテル・ミュージック風の「毒にも薬にもならない」平凡なアレンジは全く無い。意外と「ながら聴きのジャズ」として、十分ローテーション出来る内容である。
彼の音楽に乗ったメッセージは数知れず。しかし、現時点で、戦争は無くなっていないし、人種差別も無くなっていない。それでも、今でも「Imagine」を聴くと、そのメロディーに、その歌詞に感動する。
ジョンの命日には、日頃、考えもしない、実は自分にとって「大事なこと」を思い出す。ジョンの命日は、僕にとって「大切な日」であることは確かだ。
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