ロイド「Trio of Trios」の第二弾
3つのトリオによる3枚のアルバムからなる新プロジェクト「トリオ・オブ・トリオズ」の第一弾は『Trios: Chapel』(左をクリック)。2018年12月4日、テキサス州サンアントニオのコーツ・チャペルでのライヴ録音。良い意味であざとくもあるが、この10年間辺りの流行である「静的でクールなスピリチュアル・ジャズ」を志向した、現代のモダン・ジャズである。
Charles Lloyd『Trios: Ocean』(写真左)。2020年9月9日、ロイドの故郷であるカリフォルニア州サンタ・バーバラの150年の歴史を持つロベロ・シアターでの録音。コロナ・パンデミックの最中、観客無しでライブ配信されている。ちなみにパーソネルは、Charles Lloyd (as, ts, fl), Gerald Clayton (p), Anthony Wilson (g)。
3つのトリオによる3枚のアルバムからなる新プロジェクト「トリオ・オブ・トリオズ」の第二弾。共演のジェラルド・クレイトンは、西海岸ベースの伝説的存在ジョン・クレイトンの息子。アンソニー・ウィルソンは著名なバンドリーダー&トランペッター、作曲・編曲家のジェラルド・ウィルソンの息子。この「Trio of Trios」の第二弾は、有名なミュージシャンを父に持つ2人のミュージシャンとの共演になる。
この盤は、ジャズは「即興演奏の賜物」を再認識させてくれる。冒頭の「The Lonely One」は、クレイトンとウィルソンの伴奏に合わせてキーとテンポが決まった瞬間から、サックス、ギター、ピアノの3者対等な、自由度の高いモーダルなインタープレイが展開される。反芻的でありながら神秘的。静的でクールなスピリチュアルな音世界が厳かに展開される。
「Hagar of the Inuits」は、ブルース的なグルーヴを醸し出しつつ、ここでも、サックス、ギター、ピアノの3者対等な、自由度の高いモーダルなインタープレイが展開される。とりわけ、ウィルソンのギター・ソロが印象的。続く「Jaramillo Blues」もブルース志向で、明るいトーンが印象的。ブルース志向の自由度の高いインタープレイが実に「スピリチュアル」。クレイトンのピアノが演奏全体を仕切っているのにも感心した。
今回の「Trio of Trios」の第二弾は、自由度の高いモーダルなインタープレイがメインだが、ブルース曲を中心に純ジャズな雰囲気を強く感じつつ、曲によっては、ECM的な「ニュー・ジャズ」なサウンド志向も見え隠れする、ユニークな「静的でクールなスピリチュアル・ジャズ」を表現していて、実に興味深い。
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