Z世代のジャズデュオの出現!
ジャズは常に「深化」している。新しい演奏スタイルや演奏トレンドが出ることはまず無い時代になったが、新しい他ジャンルの音楽との融合とか、新しいテクノロジーの採用とか、今までのジャズをよりバリエーション豊かに、多様化に拍車をかける様な、新しい響きが芳しいジャズが、今でも時折、出現する。
そして、そういうジャズは、しっかりとジャズの「肝」である即興演奏を展開する。これがまた、今までに聴いたことの無い展開だったりして、これはこれで楽しめる。過去の、旧来のジャズ盤を聴き直すのも良いとは思うが、それではジャズは骨董品化してしまう気がして、それはそれで好きだが、逆に、努めて、今の最新のジャズの音は必ず聴く様にしている。
Domi & JD Beck『NOT TiGHT』(写真左)。2022年7月、ブルーノート・レーベルからのリリース。ちなみにパーソネルは、Domi Louna (key), JD Beck (ds)。さすがはブルーノート、最新のジャズ・エレクトロニカ、現代のジャズ・エレクトロニカの秀作。アルバムのキャッチーコピーは「Z世代のジャズデュオ Domi & JD Beck、待望のデビューアルバム」。
演奏を聴いてみて「驚愕」。なんだこれ、超絶技巧の限りを尽くした様な演奏。加えて、この若さと小悪魔的可愛さのなりで、ハービー・ハンコックやアンダーソン・パーク、サンダーキャット、フライング・ロータス、ルイス・コール、ザ・ルーツなど名だたるアーティストと共演。ポップでキャッチャーで、適度なテンションの中、意外と迫力のあるビートの効いたジャズ・エレクトロニカが展開されている。
1970年代前半のマイルスのエレ・ファンクを、最新の機材・楽器をベースに、エレクトロニカに落とし込んだような、ライトだが質感溢れるファンキーなリズム&ビート。ローファイ新世代独特の無機質なファンクネスと躍動感溢れるグルーヴ。このビートとグルーヴ感が癖になる。演奏の底に流れているのは「アーバンなジャジーな雰囲気」で、演奏の展開は「即興演奏の妙」を伴ったジャズを感じる。
スペイシーでメロウで浮遊感溢れる、限りなく自由度の高いフレーズは、まるで「モーダルなエレクトロニカ」。いやはや、恐るべき才能が現れ出でた。これってジャズなのか、と訝しく思われるジャズ者の方々もおられるだろうが、1970年代以降のエレ・マイルスに違和感を持たないジャズ者の方々はすんなり受け入れられるジャズ・エレクトロニカの秀作だと思います。しっかりチャレンジして下さい。
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