ハンクのリーダー作の第3弾。
ハンク・ジョーンズのデビュー盤から10枚ほどを久々に聴き直している。昨日は初リーダー作について語った訳だが、初リーダー作にして「典雅でブルージーで、そこはかとなくファンクネス漂い、タッチが明快で流麗」なピアノの個性を手に入れていたことが良く判る初リーダー作だった。
『Hank Jones Quartet & Quintet』(写真左)。1955年11月1日の録音。サヴォイ・レーベルからのリリース。ちなみにパーソネルは、Hank Jones (p), Donald Byrd (tp), Eddie Jones (b), Kenny Clarke (ds), Matty Dice (tp, tracks 2&3)。典雅で小粋なバップ・ピアノのレジェンド、ハンク・ジョーンズの3枚目のリーダー作。
トランペットがワンホーンのカルテット編成。2曲目「An Evening at Papa Joe's」と3曲目「And Then Some」の2曲がマティ・ダイス、残りの3曲がドナルド・バードのトランペットになる。特にドナルド・バードのトランペットがとっても溌剌としていてブリリアント。引き摺られるように、マティ・ダイスのトランペットも大健闘。2人のトランペットが分担しているが、違和感無く、バランスの取れた無い様になっている。
主役のリーダー、ハンク・ジョーンズのピアノといえば、バックのリズム・セクションに回った時の「伴奏上手」なハンクのピアノがとても良い。選曲はスタンダード曲ばかりで、アレンジを含めて、カルテット演奏におけるピアノの弾き回しがとても「粋」に響く。バップなピアノだが、フロントの前に出ることは絶対に無い。流麗で典雅なフレーズで、フロントのトランペットをしっかりとサポートする。
典型的なハードバップな演奏に仕上がっている。そんな中、ドナルド・バードのトランペットのフレーズはどことなく「新しい響き」を感じるし、ハンクのピアノは他のピアニストに無い「上品なファンクネスとフレーズの典雅さ」が個性的。パーソネル的には「新旧メンバー織り交ぜて」ではあるが、味のある小粋なハードバップ演奏に仕上がっているのは流石である。
音も良い。資料を見てみると、Van Gelder Studioでの録音である。ヴァン・ゲルダー渾身の好録音。ハンクのピアノも活き活きとした、ピンとタッチの立った音で録音されていて、ハンクのピアノが、伴奏に回ってようが、ソロを取る為、前面に立ってようが、しっかりと聴き取れる。サヴォイからのリリースなので、ジャケは「トホホ」だが、これはご愛嬌(笑)。
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