« ジャズ喫茶で流したい・249 | トップページ | ジョン・パットンのお蔵入り盤 »

2022年9月15日 (木曜日)

独の女性ジャズ・オルガニスト

オルガン・ジャズが好きである。もともと、幼稚園の頃から、オルガンか、ピアノか、で悩んだクチである。とにかく、オルガンの音自体が好き。そして、その音で、オフビートでジャジーなフレーズを弾きまくられると、もう「堪らない」。

が、オルガン・ジャズの担い手となると奥が深い。そもそも、我が国では、1960年代から70年代、オルガン・ジャズは「俗っぽさの極み」として軽視されていた。よって、オルガン・ジャズ盤の情報が無い。アルバムも人気が無いので、レコード屋には無い。オルガン・ジャズの情報が入手出来る様になったのは、1990年代、ファンキー・ジャズが再評価されて、こってこてファンキーなジャズが市民権を得てからである。

『Barbara Dennerlein Plays Classics』(写真左)。1988年11月28, 29日の録音。ちなみにパーソネルは、Barbara Dennerlein (org,footbass), Christoph Widmoser (g), Andreas Witte (ds)。独の女性オルガニスト、バーバラ・ディナーリンのジャズ・スタンダード集。オルガンがベースを兼ねる、ベースレスのギター入りトリオ。
 

Barbara-dennerlein-plays-classics_1

 
シンプルな編成だが、オルガンの音に厚みがあるので、意外と充実したアンサンブルが見事。ディナーリンは、硬派でプログレッシブな弾き回しが個性の、ドイツでは人気のオルガニスト。ファンクネスは希薄だが、オフビートを強調した弾き回しはとてもジャジー。欧州ジャズ的なオルガンだなあ、と痛く感心する音である。

そんなプログレッシヴ&ジャジーなオルガンで、ジャズ・スタンダード曲をバシバシ弾いて行くのだから堪らない。よくよく聴いていると、オルガンの音が「映える」スタンダード曲を選曲していることに気付く。「Georgia On My Mind」「Satin Doll」「Take the a Train」など、それまでの著名なオルガニストが演奏してきた「オルガン・ジャズ曲」だが、ディナーリンは、プログレッシヴな「尖った」フレーズを連発して、有名スタンダード曲を新鮮な印象で聴かせてくれる。

ストイックで、しっかりとエッジが立っていて、音の粒立ちは良く、切れ味良く爽快感のあるオルガンは、米国ジャズには無い音で、実に欧州らしいジャズ・オルガンである。スタンダード曲が、これだけスッキリ爽快に聴けるオルガンは、結構、病みつきになる。バーバラ・ディナーリン、我が国では全く無名に近いオルガニストであるが、このジャズ・オルガンの素姓は確かである。
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!

 ★ AORの風に吹かれて        【New】 2022.03.13 更新。

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

 ★ まだまだロックキッズ     【New】 2022.03.13 更新。

   ・遠い昔、懐かしの『地底探検』

 ★ 松和の「青春のかけら達」 【New】 2022.03.13 更新。

   ・四人囃子の『Golden Picnics』
 
 
Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から11年6ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

Never_giveup_4 
 

« ジャズ喫茶で流したい・249 | トップページ | ジョン・パットンのお蔵入り盤 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« ジャズ喫茶で流したい・249 | トップページ | ジョン・パットンのお蔵入り盤 »

リンク

  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
  • 松和の「青春のかけら達」(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代Jポップの記事を修正加筆して集約していきます。           
  • AORの風に吹かれて(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    AORとは、Adult-Oriented Rockの略語。一言でいうと「大人向けのロック」。ロックがポップスやジャズ、ファンクなどさまざまな音楽と融合し、大人の鑑賞にも堪えうるクオリティの高いロックがAOR。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、AORの記事を修正加筆して集約していきます。  

カテゴリー