オズ・ノイの新盤は「推し」です
酷暑の日が続く。午前中でも、用事があって外を歩いていると、5分も経たないうちに、被っている帽子の表面が暑くなってくるのが判る。10分も日なたを歩いていると、両腕の皮膚がジリジリ焼けてくるのを感じる。これは確かに「危険な暑さ」だ。こういう酷暑の日は、エアコンをつけた部屋でジッとしているのが良い。そして、ジャズを聴くのが良い。
Oz Noy, Ugonna Okegwo, Ray Marchica『Riverside』(写真左)。ちなみにパーソネルは、Oz Noy (g), Ugonna Okegwo (b), Ray Marchica (ds)。現代のシングルトーン&ファンキーなギタリスト、オズ・ノイがリーダーのバリバリ硬派なギター・トリオ編成。定番の有名スタンダード曲を多く取り上げた「小粋なジャズ盤」。
オズ・ノイ(Oz Noy)は、1971年、イスラエル生まれ。今年で51歳になる。イスラエルでトップ・ミュージシャンとなり、1996年にNYへ移住。人気、実力ともにトップクラスのギタリストとなる。2003年、初リーダー作をリリースして以来、コンスタントにリーダー作を発表し続け、本作はリーダー作として12作目になる。
オズ・ノイのギターは、グラント・グリーンやパット・マルティーノの様な、流麗でファンキーなシングル・トーンが身上。ピッキングはエッジは円やかだが力強いもの。ブルース・フィーリングが見え隠れするところが独特の個性。対位法的フレーズもユニークで、聴けばすぐ判るくらい個性的なギター。この魅惑的なシングル・トーンで、往年の有名スタンダード曲をやると、とにかく「映える」。
冒頭の「All The Things You Are」、続くビ・バップの名曲「Anthropology」を聴くだけで、この盤は「只者では無い」ことが実感出来る。続く「Have You Met Miss Jones」でもうメロメロ、これもビ・バップの名曲「Billie's Bounce」で、オズ・ノイに「最敬礼」である。しかも、これら有名スタンダード曲を、あまり今までに聴いたこともないアレンジとフレーズで弾き回すから、この盤には「新しさ」が溢れているのだ。
このオズ・ノイのギター・トリオ、コロナ禍による都市封鎖の中、ハドソン川を見下ろす公園でジャム・セッションを重ね、演奏の精度を上げて、スタジオ録音に臨んだとのこと。確かに、良くリハーサルされた、精度の良い演奏であることが聴いていて良く判る。それほどまでに出来の良い、内容の濃い、現代のギター・トリオ盤。今年のジャズ・ギター盤の中で「推し」の一枚です。
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