ジャズ喫茶で流したい・245
ジャズには「ジャケ買い」という言葉がある。ジャケットのデザインが優秀なジャズ盤に「外れ」は無い、という格言みたいなもの。僕の場合、ジャズを聴き始めて40数年、この「ジャケ買い」については、年平均10枚ほどあって、確かに、優れたジャケットのジャズ盤には「外れ」が無い、という確率はかなり高い。
今回のこのジャケットもそうだった。パッと見て『The Other Side of Benny Golson』やLee Morgan『The Rumproller』のロゴタイプの部分を思い出した。いや〜小粋なジャケットである。「今」のジャズ盤でも「ジャケ買い」はある。この盤については思わず「ポチッとな」である。ゲットして、誰のリーダー作かなぁと思って見たら「Walter Smith iii & Matthew Stevens」とある。あれ〜、これって、前に当ブログで扱ったことのある(2020年9月3日のブログ)2人のリーダーの名前ではないか。
Walter Smith iii & Matthew Stevens『In Common III』(写真左)。2021年6月の録音。ちなみにパーソネルは、Walter Smith III (sax), Matt Stevens (g), Kris Davis (p), Dave Holland (b), Terri Lyne Carrington (ds)。テナーのウォルター・スミス3世、ギターのマシュー・スティーヴンスの双頭リーダーのバンド「In Common」の3枚目のアルバムである。
1枚目から2枚目のアルバムについてもそうだったが、双頭リーダーの2人以外、リズム・セクション3人が新しいメンバーに総入れ替えである。ピアノのクリス・デイビスは41歳(録音当時)、大ベテランのベースのデイブ・ホランドは74歳、ドラムのテリ・リン・キャリントンは56歳と、中堅〜大ベテランのリズム・セクションで、このリズム・セクションがこの盤の演奏の自由度の高さとアンサンブルの見事さをガッチリと支えている。
音的には「欧州のニュー・ジャズ」っぽい。エコーが控えめな分、欧州度は緩やかだが、双頭リーダー二人のアンサンブルやインタープレイは、非4ビートで流麗な自由度の高い即興フレーズで、ニュー・ジャズの響きが濃厚。空間の拡がり活かした、枯れた雰囲気の、やや幽玄で淡々としたフレーズの紡ぎは実に個性的。懐かしい様な、レトロなサックスとギターの響きにしみじみとする。
大向こうを張った劇的な展開は無いが、じっくり小粋でノスタルジックな響きの演奏の数々は「中毒性」があって、ずっと聴いていたくなる。どこかアンビエント&スピリチュアルな雰囲気もあり、じっくりと聴き応えのある、ニュー・ジャズな雰囲気のアルバムです。
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